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転生木箱の後日談27

その日は珍しくケントとライラが二人の子供、ヘリオスとセレネを連れてやってきた。


「どうした?二人揃って、ってのもだけど、子供達を連れて来るなんて珍しいじゃねぇか」


ヘリオスとセレネは俺の事を避けている、と言うか怖がっているのだ。実際赤ん坊の頃は兎に角泣かれて一度しか抱いていないし、今もケントとライラの後ろに隠れていて、テーブルに置かれたホットミルクとビスケットにも手を付けていない。

因みにディアナとミネルバとも似た様な感じで、二人が来た時は自室に篭るとかアスタル夫妻と散歩に行くとか、極力接触しないようにしている。


「もう・・・パンドラ様は怖くないって何時も言ってるのに。ごめんね」


ライラは子供達が大きくなってからは俺の事をパンドラ様と呼んでいる。子供達の手前『主様』と呼ぶのは如何かと思い、俺が変えさせた。


「本当に、すみません。はぁ・・・これじゃぁ無理ですかね、二人に魔法の基礎を教えて貰おうと思ってたんですけど・・・・・」


「何だ、そんな事で来たのかよ。それこそ俺じゃなくて良いだろ。お前が教えてやれば良いじゃねぇかよ。つーか、まだ早いんじゃねぇか?確か三歳になったばかりだろ」


「いやぁ、なんだかんだ言っても私のは自己流に近い物が有りますし、どうせならゼロから教えて貰った方が良いかなって。それにこの子達なら私に出来無い事も出来る様になるんじゃないですか?」


ケントの魔法は部分的に自分の使い易い様に変えられていて、無詠唱でなく詠唱破棄の形を取っている。魔法名を唱える事でイメージを固める為なんだそうだ。


「ん~・・・まぁそうなんだけどさ・・・・・如何考えても無理だろこれ。と言う訳でこいつをやるから後はお前が教えてやれ」


取り合えず魔力操作の訓練と基礎理論の勉強が出来る様に水晶球を渡してやった。ディアナとミネルバにも使った奴だ。これに魔力を流しつつ中の情報を読み取れるようになれば基本だけは身に付く筈だ。


俺が話す度にライラとケントの背後に居る二人のケモ耳がピコピコ動いているのが見え隠れしているのが笑える。


実はこの子達が俺達を避けている理由は解っているのだ。二人は魔力感知に優れていて、俺達の途方も無い魔力量に脅えていると言う訳だ。

そして子供の身でありながら、その総魔力量はこの世界で五本の指に入る程なのだ。勿論俺達を除いてだが。

まぁ俺達を入れてもTOP10に入るのだから末恐ろしいと言う物だろう。

因みに属性はヘリオスが光と火と風でセレネが闇と水と土。と見事に分かれていて、セレネの方が魔法には向いている。


地球人+人族+獣人のハイブリッドな時点でお察しな訳で、潜在能力的には『魔王』所か『こちら側』に来てもおかしくは無いのだ。まぁ最悪の状況になっても俺が居るし、なによりケントとライラに育てられて性格が歪むとか有り得ないので問題ないと思っている。


「ありがとうパンドラ様・・・この子達に何か有ったら、また連れて来ますね」


ライラも子供達の事は薄々気が付いている様だ。と言っても明確な理由が有る訳じゃなく『直感』何だろうけど。


ピピッ!ピピッ!ピピッ!


用事も終わったし、子供達がぐずり出したので辞去しようと立ち上がった時、テーブルの上に置かれたタブレットから警告音が発せられた。


「え?なに?如何したのパンドラ様?」


「・・・・・衛星が魔力異常を感知したみたいだな・・・大陸北部の山岳地帯・・・・・ケイオスの故郷か?」


「それって竜人族の集落ですか?二百三十年近く結界が張られて入れなくなってたんじゃ?」


「ああ・・・・・どうやら結界が消えちまった様だ・・・・・生命反応が一つだけか・・・・・しかもこいつは・・・・・如何やら面倒な事になりそうだな」


結界を破っただけなら他にも生命反応が有る筈だ。恐らく集落内部で戦闘が有って一人を除いて全滅したと言う事だろう。そしてその勝者が外に出て来たと・・・・・最強種の竜人族を滅ぼす程の力の持ち主か・・・面白そうな事になってきたぜ。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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