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転生木箱の後日談26

何だか全く関係無い所でトラブルは有ったが無事に調印式も終わり、三日程一行を王都内を案内して回った。

そしてオルティナ以外を送り届け、いよいよジェーン達の売店の開店準備となった。


あ、オルティナは家で預かる事にした。流石にアレスの家に泊まる訳にはいかないし、王都じゃアレスに会えないとかごねられたらウザイんで。


帝都にジェーンとジェシーを連れて行き、近くの商店を回って挨拶をさせた。材料の仕入れは近場で済ませる為だ。

店名にはパンドラと入ってはいるが基本的には口を出す気は無い。二人には自由にやって貰う様に言ってある。

店の前の噴水広場は、既に沢山の人が思い思いに過ごしているので何時営業を始めても問題無いだろう。

俺は二人に当面の資金を渡して元スラムへと向かった。


アパートの住人達に声を掛けて、元冒険者とか腕っ節に自身の有る者達は警備員として働いて貰う事にして警棒と盾を与えた。成人女性は大浴場の清掃や維持に携わって貰う事にした。


警備員達にはあくまでも自衛目的で有る事を言い含めてジェーン達の店と大浴場の警備を任せ、ローテーションを組んで訓練と休日を取る事を義務付けた。


責任者からの報告では特に問題は起こっていないが、孤児が更に増えていると言う。帝都でこれだと地方の農村ではもっと酷いのかも知れないが、ここから先は俺が手を着けるべきではないと思う。


次にハンス商会の面々を連れて帝都を回り、目ぼしい商会を探す拠点として元スラムを使って貰う事にした。するとハンスが「これだけ土地と人が余っているんでしたらここでも良いんですけど、建物を用意して貰えますか?」と言って来たので、大浴場の近くに建物を設置して元神官一人とそこそこ教育の出来ている者を商会員として迎える事に為った。

足りない人手は教育が済み次第増やして行くそうで、当面は問題があれば元神官を借りるか本社から派遣する方向で行くらしい。


帝都での事が決まったので次はクラインの所だ。こちらの拠点は普通の宿屋に決まり、クラインとの顔合わせもした。話し合いの中で「何をするにも山を迂回するので如何しても時間が掛かる」と言う事なのでクラインの屋敷の裏と工房を転移陣の建物を建てて繋げてやったら大喜びだった。これで増員や物資の搬出入の手間が減るだろう。


翌日はゲオルグへ行き、ハンス商会の拠点を決めてから城へ向かい、俺が出店する場所をウォルタードから買い取ったり営業許可を貰った。


「そう言えば気になったんだが、この国の孤児院とかスラムみたいな所が見当たらなかったんだが、その辺如何なってんだ?」


何でもこの国では五年前からベルトラン王国で俺がやったのを国で取り入れたんだそうで、孤児院は国営なんだそうだ。最低限の教育と兵士に為りたい者は訓練も受けられるとか。スラムが無いのも国が仕事を斡旋していて人手の足りない農村等に振り分けているんだそうで、その辺はベルトラン王国よりも進んでそうだ。

尤もそのせいで国庫はカツカツで、西の王国が本格的に攻めて来た場合はかなり厳しいらしい。

今回の同盟で西が攻めてくる事も無くなるだろうし、孤児院やスラム対策も成果が出始めているので見通しは明るいそうだ。


そしてヴォルドが今回の件で男爵から子爵になり、北東砦周辺の領主になる事が決まったそうだ。

何でも調印式に連れて行った伯爵二人が「伯爵にしても良い功績だ」とか「我が国の英雄」とか言ってヴォルドを持ち上げたのは俺が気に入ったとか言ったからだろうか?


ヴォルドには何かお祝いを持って行ってやるとしよう。自転車なんか良いかも知れない。


そんなこんなで一連の作業も終り、当初の予定よりも思いの他事が大きくなったのは何時もの事なんで気にしないでおこう。


そしてこの同盟の報を受けてベルトラン王国の周辺国が動き出し、ベルトラン王国が世界の中心となるのだが、それはまた別の話だ。

ここまで読んで頂き有り難う御座います。

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