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転生木箱の後日談24

調印式三日前。先ずは帝国へと向かい、元スラムの様子見等をしてから皇帝達を連れてベルトラン王国へ送ってからゲオルグへ。


ウォルタードに新しい外務大臣と伯爵二名を紹介されたんだが・・・・・


何か全身で不快感を表現した様な態度なんだけど・・・こんな奴等連れて行って良いのか?ベルトラン王国で暴れたら流石に俺も切れるぞ?


「ん~・・・・・国王さん、本当にこいつ等で良いのか?向こうで暴れたら最低でも帝国と同じ様に城は消させて貰うぞ」


俺の言葉に声は出さなかったが伯爵二人は顔を真っ赤にして今にも俺に飛び掛りそうな感じだ。


「ふむ・・・流石にそれは困るな・・・・・パンドラ殿、御手数だがその者達と手合わせでもして貰えんか?そなたの力の一端でも見せれば納得すると思うのだが」


「あぁ、なるほど。俺の事が信用出来ないとか気に入らないって事か。ん~・・・・・そうだな、もっと力の差をはっきり解らせた方が良いか」


そう言って靄を出して全員を掴んで大陸から離れた洋上の無人島へと飛んだ。


初めての転移でふら付き困惑する皆を放置して靄を全力展開し、周囲の木々を取り込んで行く。たいして大きな島じゃないので視界を遮る物は無くなり水平線まで確認出来るようになった。

この時点で既に十分な気もしたが、つまらん気を起こす事の無い様に更に追い込みを掛ける事に。

帝国で城門を破壊した光弾を俺達を中心に全方位で放ち、着弾した海上に次々と水柱が上がる。

仕上げに深淵門で島の半分を消し去り、押し寄せる海水が津波となって襲って来たので靄で受け止めて吸収した。

青褪める所か正に顔面蒼白でその場に座り込む皆に向かって黒い笑みを浮かべながら話し掛けた。


「と、まぁこれ位は簡単に出来るし、その気になればこの世界全てを消す事も出来るんだが・・・・・ああ、後は暗殺とかも出来ないって事を教えといた方が良いか。そこのあんた、剣でも魔法でも良いから俺に攻撃して来て良いぞ。勿論反撃はしないし文句も言わん」


伯爵二人の内、ガタイの良い方を指差し声を掛けたのだが、プルプルと振るえてんだか首を横に振っているんだか良く解らないリアクションをされて判断に苦しんでいると、視界の隅の国王さんの斜め後ろに倒れている王女を見付けた。


「ありゃ?ちょっと刺激が強すぎたか。失敗失敗」


気絶した王女を揺さぶり起こして全員を落ち着かせてからベルトラン王国へと送って行った。王女が人前で倒れるとか結構な失態だが、俺はそう言うのは気にしないし、粗相してなかったのがせめてもの救いだ。責任取れとか言われてエリーゼみたいに付き纏わられたら洒落にならんからな。


そして一日間を開けて調印式前日。午前中は顔合わせと調印式の打ち合わせの為に会議室へとオズライトとハスウェルの皇帝親子や大臣達と共に向かった。因みに会議室へ入るのは一番最後にした。本来は相手を待たせる立場じゃないが、ゲオルグの面々とライオネルを待つなんて息苦し過ぎるので敢えて最後にさせて貰った。

会議室に入って直ぐに帝国の面々に謝罪させ、先ずはゲオルグとの和解だ。余り納得していない感じだったが、今後帝国がちょっかい掛ける様なら俺が間に入る事を条件に条約の締結を受け入れる事になった。


昼はベルトラン王国の大臣や貴族達との顔合わせも兼ねての立食会だ。俺の店やドラグーンからの食材の影響で、ここ数年でベルトラン王国の料理の質はかなり上がっていて、帝国やゲオルグの面々はご満悦だ。

俺は普段こう言った催事には参加しないのだが、今回は俺が主体だしと参加したらやたらと話し掛けられて、主役はこっちだからと帝国とゲオルグに振りまくる羽目になった。

そして食事や挨拶が落ち着き始めた頃に、会場奥の舞台へと一人の少女が護衛を連れて現れた。


リリーだ。


今回は俺の依頼で数曲弾いて貰う事になっている。

登場と同時に割れんばかりの拍手と歓声が上がり、帝国とゲオルグの面々は訳も解らず困惑していたが。リリーが曲を奏で始めると感嘆の息を漏らし聞き入っていた。


この時俺はリリーの名が世界中に広まる日も近いなとか、孤児院の警備を増やした方が良いかも知れない。などと考えを廻らせていたのだが、まさかあんな事になるとは夢にも思っていなかった。

ここまで読んで頂き有り難う御座います。

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