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転生木箱の後日談21

帝国は受けるしか生き残る道は無いし、ゲオルグも承諾したので後はライオネルを説得するだけだと城へと向かった。

尤もアスタルが主要大臣達を抑えていたので説得する必要も無く、二つ返事でライオネルも了承してくれたので、序にゲオルグの王女の話をする事に。


「何でも強い縁が欲しいらしくてな、お前かケントの所に嫁がせようって話が有ったんだと。それで、そこそこ高位の貴族で歳の近い奴が居たら紹介するってのはどうかと思ってな」


「歳回りの近い者は居無い事も無いのだが・・・第一、第二王女に釣り合う者となるとな・・・・・第二、第三婦人と言う訳にも行かんし・・・・・我が国に移住して新しく家を立ち上げると言うのであれば居無い事も無いか・・・・・」


「そこまでしてでも来たいと言うなら有りかな・・・・・いっそ帝国に嫁がせるって言うのも有りか?」


「それは流石に反発が多かろう。移住したいと言うのであれば受け入れるとお伝え下され」


「解った。それじゃ帝国の返事が決まり次第動ける様にしといてくれ」


ライオネルの所を辞去し店へと向かった。ゲオルグで出店するなら玄田に相談しておこうと思ったからだ。


「ん~・・・・・その・・・最近思う所が有ってですね・・・・・この店の在り方と言うか・・・・・現状、商品はパンドラさんの魔力から作られているじゃないですか。これって不自然なんじゃないですか?傍から見れば材料無しで商品を作って売ってる訳だし。ここだけなら然程影響も無いと思いますけど、こう言う店が増えた場合周囲に与える影響は大きいと思うんですよ。実際ゲオルグに出店してもゲオルグはお金を吸い上げられるだけになっちゃいますよね?パンドラさんもお金が貯まる一方だって言ってたじゃないですか」


言われて見ればその通りで、今のまま出店してもゲオルグ的には対して旨味が無い。現地で材料を買って売る方向で行かないとダメかな。


「それじゃ売店形のファーストフード屋でも出すか。店長候補に誰か・・・女の子見繕っといて。勿論志願者でな」


店長は玄田に任せて、俺は孤児院でマリーに料理の好きな子の中から料理人権店員に為りたい子を見繕って貰ってレシピを幾つか仕込んで貰う事にした。


そして迎えた一月後。先ずは帝都に返事を聞く為にオズライト皇帝と息子のハスウェル次期皇帝の下へ向かった。

当然の様に返事はOKで二人と近衛達を連れて転移でクラインの元へと向かい、移住者と護衛を含めた三十名をシルク製造工房へと運んだ。


「よし、これで取り敢えずは問題ないだろ。ベルトランやゲオルグだけじゃなく、トランバルやドラグーンにも販路を用意して有るから人員確保と大量生産宜しく」


これから生産が始まると言うのに既に大量に売れる事が決まってクラインは唖然としていたが、お国の為に頑張って貰おう。

帝都とクラインの領地にハンス商会の出店の許可を貰って帝都に帰り、権利書と出店許可書を貰って、晴れて俺の土地となった元大聖堂跡地へと向かった。

土地全体を石畳で覆い、中央に噴水を置いて周囲を囲む様にベンチを置いた。かなり贅沢な土地の使い方である。

そして一番奥に住居権売店を立てていると周囲に人集りが出来ていた。

俺はざわざわと騒ぐ民衆に向けて声を上げた。


「御集まりの皆様、お騒がせして申し訳有りません!ベルトラン王国とユリシス帝国の友好の証としてここを買い取らせて頂きましたパンドラと申します!この場が帝国の平和の象徴と為る様に皆様に開放し、近日中にはこちらの売店を開始致しますのでお誘い合わせの上お越し下さいませ!」


「おい!適当な事言ってんじゃねぇぞ!てめぇが大聖堂と城を消したんだろ!俺ぁ見てたんだ!敵の言う事なんざ信じられるかよ!!」


「ん?ああ、確かにそれは俺だ。だが、今はもう敵じゃないし、ここだって金貨五千枚出して皇帝陛下から買い取ったんだ。近い内にゲオルグ王国とベルトラン王国との友好条約が締結されるから、もうこの国で戦争が起こる心配はしなくても良いんだ。嘘じゃないぞ、今城の図面を書いて貰っているから出来上がり次第俺が城を建てる事にも為っている。まぁ俺の言う事なんて信じられないだろうから皆で聞きに行って見たらどうだ?」


どうやら条約の件は国民には全く知らされていない様で、集まっていた人達の半数近くが城の跡地へと向かって行った。


「そう言や神官達は如何したか誰か知ってるか?」


ふと疑問に思ったので聞いて見ると、身を寄せる場所も無く西側に有るスラムにいるそうだ。


「ん~・・・良し!序にそいつらも助けてやるか!それと・・・・・こいつはこの店で売る商品の一部だ、良かったら食ってくれ!」


俺はホットドックとサンドイッチを五十個ずつその場に残して西へと向かった。

ここまで読んで頂き有り難う御座いました。

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