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翌日、俺達は来た道を戻りコボルトの集落跡地へと向かった。

途中で隠し部屋と幾つかの小部屋を覗いたが何も無く、そのまま集落跡地に向かうとライラが敵を感知した。

壁際にしゃがみ、覗き込む様に集落跡地を見るとオーク五匹が跡地を物色していた。


(豚野郎か・・・まぁ五匹位今のライラなら楽勝だろ。だからと言って油断はするなよ、さくっと殺って・・・ん?・・・どうした?おい!ライラ!大丈夫か?!)


ライラは両腕で自分を抱きしめる様にしてガタガタと震えていた。


(ライラ、お前・・・・・そう・・・だよな・・・・・殺されかけたんだ無理も無いか・・・・・解った、俺を背負子から外して全力であいつらに向かって投げろ。投げたらお前は隠し部屋に入ってやり過ごすか、そのままゴブリンの集落跡地の先にでも行け。お前なら一人でもやっていけるだろ・・・・・今まで俺の我儘に付き合わせて悪かったな)


(・・・え?・・・主様何を言って・・・・・そんな!嫌です!私一人で逃げるなんて出来ません!・・・そうだ主様も一緒に・・・・・)


(俺は逃げんぞ。俺を連れて行くと言うなら縄を靄で切るし、抱えて行くならお前を殺してでも俺は残る。大体豚如きから逃げてる様じゃ復讐なんぞ成し遂げられんからな・・・・・ライラお前はどうしたい、どうなりたいんだ、答えろ)


(・・・・・私は・・・ずっと一緒に居たい・・・・・もっと強くなって・・・主様に付いて行きたいです!)


そう言ってライラは立ち上がったが膝がまだ震えていた。


(いいか、お前を殺そうとした奴は俺が殺した・・・あいつらは別者だ。なぁにホブゴブリン程強くはねぇ・・・・・さぁ深呼吸して気合を入れろ!奴らを倒した時、お前は更なる強さを得て生まれ変わるだろう!!行けぇライラァ!走れえぇぇぇぇ!!)


ライラは俺の怒号に突き動かされる様にオークに向かって駆け出した。


オークは俺達に気が付き此方に向かって来たが、ライラは速度を落とさずにそのまま突っ込んで行った。止まる事のない旋風の様にオーク達の間を擦り抜け、攻撃を交わしながら両手の剣で斬り刻んで行き、暫くしてオーク達は自分達の血溜りに沈んだ。

ライラは辺りを見回した後、両手を高々と上げ「アオーン!」と勝利の鬨を挙げた。


と、此処までは良かったんだが、その後が大変だった。


ライラが俺を下ろして突然泣き怒り出したのだ。俺はどうしたら良いか解らず唯々宥め続け、最後には泣きながら抱き付かれ、ライラが泣き疲れて眠るまで頬擦りされまくり、暫くして目を覚ましたライラは「ごめんなさい」と何度も謝りひたすら頭を下げ続けたのだった。


その後、食事を挟んで俺達は先に進んだ。幾つかの小部屋を探り、オーク達を倒しつつライラのLVを上げた。そして二日程の所にオークの集落があった。


(かなり多いな・・・百匹は軽く居そうだ・・・・・流石にあの数に囲まれたら無事じゃすまねぇ・・・・・少し戻った所の小部屋で待ち伏せしよう)


ライラはコクリと頷き来た道を戻り小部屋に入った。


(ライラ、俺をもう少し入り口近くに置け・・・ああここで良い。ここなら敵が来てもすぐに取り込める)


(・・・主様・・・・・主様なら集落のオーク全部倒せるんじゃないんですか?)


(ライラ、俺は万能じゃない。自分の能力の弱点位は把握してる)


(え、主様に弱点なんて有るんですか?)


(何言ってんだお前は、そもそも自力で動けない事が最大の弱点じゃねぇか。他にも色々有るがお前には教えない方が良さそうだな。俺が居る事で油断しそうだしな。いいか、もう一度言う、俺は万能じゃない俺を過信するな)


ライラは少し俯きながら「はい」と返事をした後、武器の手入れと食事を取り眠りに付いた。俺は入り口を警戒しながらライラのステータスを確認した。


―――――――――――――――――――――――――

 種族:コボルト♀ 名前:ライラ LV38

  HP 210/210 MP 120/120

  筋力:185 体力:175 素早さ:250 技術:80

  知力:85 精神力:90 幸運:35

  スキル:聴覚強化(小) 嗅覚強化(小) 気配察知

   思考加速 剣術 咆哮

  装備:グラディウス×2

 眷属契約〔契約主:パンドラ〕

―――――――――――――――――――――――――


(かなりLVも上がったし、そろそろ俺も経験値を稼ぐとするか・・・・・抜かれたらかっこ悪いし・・・・・・・)


そんな事を考えながら見張りを続けた。

ここまで読んでいただき有難うございます。

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