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転生木箱の後日談12

先ずは舞台の設置場所だなとタブレットを取り出し、大陸の裏側の洋上でよさげな所に目星を付けて、直径1kmの舞台を設置した。

そして舞台を含めた周囲2kmに対物理、魔法の結界を掛けて戦闘の影響が出ない様にして、ケイオスに対する嫌がらせの為にビデオカメラを複数設置した。いっその事、世界各国に生中継してやるかとも思ったが、面倒なので自宅だけにした。


そして翌日。暇そうなアスタルとジェラルドにライラとアイリスを自宅に呼んでからケイオスを舞台に連れて行き、ライオネルに言ってケントを借りて舞台に連れて行った。


「遅いぞ貴様。我を待たせるとは良い度胸だな」


「・・・・・あの~パンドラさん・・・何なんですここ?何でケイオス陛下がいるんですか?」


「ああ、これからお前にはケイオスと戦って貰うんだよ。あの奢り高ぶったいけ好かない野郎に目に物見せてやれ。あいつに勝ったらドラグーン王国の国王になれるぞ。ほれ、あそこに観客もいるから、みっとも無い所見せるなよ」


俺が指を差した先には大画面スクリーンがあり、ライラとアイリスが手を振っているのが見えた。


「はぁっ?!何ですかあの顔ぶれは!!それにそんな事聞いてませんし、国王なんて荷が重過ぎますよ!!」


「ほう・・・その物言い・・・貴様、我に勝てると言うのか」


「いやいや、待って下さいって!そう言う事じゃなくてですね、戦う理由なんて無いでしょ?!」


事前に何も知らされていなかった為に、混乱して素で話してしまったケントにケイオスが舐められたと勘違いしてしまう。


「ならばその理由とやらを作ってやろう・・・・・貴様が戦わぬと言うのならば、あの獣人の娘は我が貰うとしよう。あの娘は腰抜けなんぞには相応しくないからなぁ・・・ククククク」


「・・・・・それは・・・本気で言ってんのか?」


「無論だ。あれ程の逸材は中々居らんからな。なぁに心配は要らんぞ。子供等共々高待遇で迎える故な・・・ハハハハハ!!」


俺がケイオスに『ライラはお前にやる気はねぇぞ』と言おうと手を上げ掛けた時、ケントの魔力が膨れ上がった。


「・・・・・おい・・・ふざけた事抜かしてんじゃねぇよ・・・『ミラージュ!!』・・・ライラは俺の女だ!誰にも渡しゃしねぇ!!」


一歩、また一歩とケントが足を進める度にその身体がぶれて行き、その数が増えて行く。

光属性最上位幻影魔法ミラージュ。放出した魔力に自身の姿を投影する事によって目視だけでなく、探査系の魔法でも判別しにくい凶悪な魔法だ。


ケイオスを囲む様に移動して行く数十のケントと、本体を見極められずに後退するケイオス。


「チイイィィィ!喰らえ!ダークネスフレイム!!」


ケイオスから放たれた闇の炎が扇状に広がり、ケントとその幻影に襲い掛かるが、ケント本体は魔力身体強化を使い、交わしつつ幻影の数を更に増やしケイオスを完全に囲む。ケイオスは上空へと逃れようと背中から翼をだした。


「逃がしゃしねぇぞ!!『深淵門!!』」


俺が帝国で大聖堂と城を消した時に使った『深淵門』。不完全だった為に制御の難しい『奈落』を改良したもので効果は変わらないが、まさかケントが使える様に為っているとは思ってなかった。


退路を経たれたケイオスに襲い掛かるケントとの間に俺は割って入った。


「そこまでだケント。勝負ありだ」


「止めんじゃねぇよ!!勝手な真似ばかりしやがって!俺達はてめぇの駒じゃねぇぞ!!」


ケントの拳が俺の顎を捉え鈍い音を立てた。


「・・・チッ・・・態と喰らいやがって・・・・・ライラ・・・今迎に行く。一緒に帰ろう」


スクリーンの向こうで心配そうな顔をしたライラに語り掛け、転移しようとしたケントを止めた。


「待て、ケント・・・・・悪かったな。でも、あいつの思い上がりを正す為に必要な事だったんだ・・・それと・・・・・ライラをこれからも宜しく頼む」


「・・・・・狡りぃよ・・・そんなのあんたらしくねぇだろ」


頭を下げる俺にケントはそう言って転移してライラとアイリスを連れて帰り、俺はケイオスを送り届け、舞台を片した後自宅へと戻った。






「ははははは!どうよ!この俺様の育てた最強の男は!!」


「うむ、あの男が瞬殺とはな!これ程に旨い酒は久しぶりじゃのうジェラルドよ!!」


「全くですなぁ!唯でさえ旨い酒が更に旨くなる!!ははははは!・・・この顔、最高の肴ですな!!」


酒盛りをするパンドラ達の前には恐怖に歪んだ涙目のケイオスの顔がモニターにでかでかと映し出されていた。


「この顔プリントアウトしてケイオスに送りつけてやるのも良いな!!」


懲りない男達の宴は深夜まで続くのであった。

ここまで読んで頂き有り難う御座います。

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