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転生木箱の後日談11

ディアナとミネルバと名付けた二人との生活は色々大変だった。


そもそも子育てなんてした事が無いし、しかも女の子だ。孤児達は躾が行き届いていたし、ライラに至ってはコボルト時代を除けば特に手が掛からなかったからだ。


二人共兎に角元気で、家中を走り回ったり設備を弄繰り回したりと、本能の赴くままに行動しては電池が切れた様に突然眠りだす。

外に連れ出せば砂浜を駆け回って波打ち際で泥だらけになり、波に攫われそうになって泣いたりと兎に角目が離せなかった。


そして二人が漸く環境に慣れ始めて少し落ち着いて来た時にケントがやって来たのだが、二人はお昼寝中でばれる事は無く胸を撫で下ろした。


ケントが来た用件はと言うと『ミゲイル・レンフォールが西のユリシス帝国と組んで謀反を起こした』のだそうだ。

ケントは国内の鎮圧に向かうと言うので、俺は帝国内を攻める事にして、二人に大人しく留守番している様にと告げ、帝国内を移動している兵士達を適当に撃退しては昼食時と夜に帰ると言う生活をしていたのだが、ここで少しばかり誤算があった。


それは行動を開始して四日目の事だった。


俺が帝都城門前で暴れ始め、ケントが西方防衛砦前でミゲイルに口上を述べている時の事だった。王都ベルトラに潜伏していたレンフォール派の反乱軍が行動を開始したのである。


守備隊が早朝訓練を終えて宿舎で食事を取っている時に襲撃され、守備隊員の殆んどが宿舎に監禁され身動きが取れなくなり、城内にレンフォール派の反乱軍が雪崩れ込んで、騎士団の一部と近衛が王族を守りながらの撤退戦を繰り広げていた頃、ガーランド家も襲撃されていたのである。


俺はケントにガーランド家が襲撃された場合は、使用人を含めた家人を俺の家に避難させる様にと言ってあって・・・・・アイリスやジェイムスを含めた使用人全員に二人の存在がばれてしまったのである。


帝都で大聖堂と城を破壊し、皇帝を拉致して西砦へ飛んで、ミゲイルを回収して王城へ付いた時には城内の反乱軍は全て倒されていた。王族を狙う反乱軍はマークスによって阻まれて一時膠着状態に陥っていたが、そこへライラが開放した守備隊員達を連れて背後から強襲。挟撃される形となった反乱軍は逃げ場を失い殲滅されたのだそうだ。


俺は皇帝とミゲイルをマークスに引き渡し、久しぶりに大暴れをして意気揚々と家へ帰ったんだが・・・・・二人が俺に異常に懐いている事をアイリスにめちゃめちゃ弄られ、ちゃんと説明したのにジェームスには「左様ですか・・・・・」と遠い目をされてしまって、マジで凹んだ・・・・・


あ、ガーランド家の方はトールとリックが五十人の反乱軍を制圧したそうです。


そして家に引き篭もっている内に戦後処理が終わり、アスタルが忌まわしき過去の清算をするとか言って、ミゲイルの処刑を自らの手で行って退位し、ライオネルへと王位が継承された。




「・・・・・それで・・・何の用だよ・・・お前等も俺を笑いに来たのか?」


引退して暇になったアスタルとジェラルドが家にやって来た。


「いや、以前も言ったのじゃが、わし等もこの島に住みたいのじゃ」


「・・・・・お前等空調目当てなだけだろ?・・・アスタルは兎も角ジェラルドは二人に悪影響及ぼしそうなんだよなぁ・・・・・」


「な、何を根拠にその様な事を・・・私程真面目な男は滅多に居ないと思いますぞ」


「そりゃ仕事に限っての事だろ。俺の見立てじゃアスタルに悪い遊び教えて来たのはお前じゃねぇのか?」


「・・・そう言えば若い頃に城を抜け出す時は、何時もお主に連れ出されてだった気が・・・・・」


「それみろ。ジェラルドは様子見で、アスタルには家を用意してやるよ。場所と規模が決まったら何時でも言いな」


「おおっ!有り難うパンドラ殿!これでミランダも労ってやれると言う物じゃ」


「・・・・・くっ・・・私が何をしたと言うのだ・・・・・恨むぞアスタル・・・・・」


「そう言う所がダメだって言ってんだ。アスタルも羽目を外す様なら追い出すからな」


「あ、ああ、勿論じゃ。わしは隠棲する為にここに来るのじゃからな。それでじゃ、そろそろ期限だと思うのじゃが、其方はどうなっておるのじゃ?」


「期限?なんか頼まれてたっけ?覚えが無いんだが・・・・・ああっ!ケイオスとのか!すっかり忘れてた、直ぐに準備しねぇと!」


忙しかったり落ち込んだりして、すっかり忘れていたケイオスとケントの決闘の舞台を大急ぎで用意する俺だった。

ここまで読んで頂き有り難う御座います。

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