決戦
結果から言う。
まあ、やっぱり現実はそんなに甘くないよね。
なんと!あのまま予想外の実力を見せたちーきくが予想外の活躍をし、そのまま平林さんペアに勝利してしまい・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・ということにはならなかった
終わってみれば私達の完敗だった。
一言で言えば、とにかく球が速過ぎだった。
今まで体育とかでテニスは何回かやったけど、強いて感想を言うなら素人がやっても、所詮素人は素人なんだなって感じ。一応、ちーきくの名誉の為に言っておくと、それでもちーきくはよく食らいついていた方だと思う。
最初のサービスだけではなく、その後の平林さんサービスにもちゃんと反応してたし、何回かラリーが続く場面もあった。
だが、結局ポイントを取ることは出来ずストレート負けだった。
「はぁ~ひょっとしたら行けるかも知れないと思ったんだけどなー」
「いや、無理でしょ・・・」
そういう私もほんのちょっとだけ、本当にほんとのちょっとだけ、最初のちーきくの神憑り的なレシーブを目の当たりにしたときは「もしかしたら」と思ってしまったりして、ちーきくを見直してしまったりもしたのたが、ここで勝ってしまったらテニス部員としての平林さんの立場我無いだろう。
「で、どうすんの?」
ほぼ予想通りとは言え、これで平林さんを誘える名目が無くなってしまった訳で、事態は振り出しである。
「いやー、行ける気がしたんだけどなー」
だから、その無謀な自信はどこから来るんだって。
「また他の人探す?・・・ってか、それしかないと思うけど?」
「んー、いや、もう一度なんとか誘ってみる」
「なんとかって?またテニスで勝負するの?流石に何回やっても無謀だと思うけど」
こういう所は、ちーきくは変に頑固だ。
「まあ、それもアリかも知れないけど、ちょっと思い付いたことがあってね」
「大丈夫なの、それ」
「まあ、とりあえずやってみるよ」