Adventures talkroom ~ギルドなぜなに目安箱・第四回~
「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」
【黒木勇斗語録・ドラッグオンドラグーン アンヘル】
>>『第四回・ステータスについてあれこれ』<<
「なぜなに目安箱・第四回のテーマはステータスあれこれっす」
「賢人は言いました『レベルを上げて物理で殴ればいい』と……」
「言ってないっす。言ってないっす。どこ情報っすかそれ」
「えっと、エスティエルさん経由から。間違ってましたか?」
「レベル上げ必須なとこは一理あるけどね」
「上げれば強いって一概に言えないのもこの業界ね」
「そんなわけで引き続き、冒険者カード項目の説明になるっすね。
住所氏名生年月日種族などの基本的な情報が記載された上部の下は、
冒険者が冒険者たりうる情報『ステータス』の項目になるっすね」
「はい、まず『冒険者レベル』『クラス』『称号』のみっつですね」
「冒険者ランクの項目ってないんだよね」
「ランクはカードの色で区別されてるからいちいち書く必要ないのよ」
「Eは銅、Dは銀、Cは蒼銀、Bは金、Aは白金、Sはオリハルコン。
ランクごとにカード素材が変わるので一見して分かる仕様なんすよね」
「伝説勇者の殿堂入りに相当するSランクは例外として、冒険者ならば
一生に一度は夢見るプラチナカード、魔王討伐を果たした英雄の証。
やっぱり僕らも冒険者の端くれならAランクカードを目指したいね」
「シルバーカードになりたてのうちらには遠い未来の話だけどね」
「では、まず冒険者の強さの基準となる冒険者レベルの説明から」
>>『冒険者レベルとは?』<<
「冒険者レベルは、その冒険者がどれだけの経験を積んだかの基準っす。
クエストをこなすごと、モンスターを倒すごとに経験値は蓄積されて、
それが一定の値になるとレベルアップ。古来から存在するルールっすね」
「冒険者ランクの上昇目安は、大よそ10レベルおきと言われていますね。
レベル10代で若手。レベル20代で半人前。レベル30代で一人前とか」
「うん、理屈としてはだいたいそれであってるけど、現実は厳しくてね……
レベルが上がると自動的にランクも上がるなら苦労しないんだよなぁ~」
「そうなんですか?」
「理論上はBランクになってもおかしくないレベル30代がランクアップの
条件をなかなか満たせなくて万年Cランクのままって普通にあるんだよ」
「ランクアップ条件はギルドへの奉仕度合いも関わってくるから面倒よね。
Cランクまでならクエスト達成回数とランクアップクエストのクリアで
だいたい済むけど、Bランク以降は名声度とか貢献度とかカードに出ない
隠しパラメータの項目もランクアップ判定の基準になるらしいのよね」
「さすがにBランク以上ともなると、単純な実力だけでなく冒険者としての
品性や人格面も問われるようになるっすからね。後進の模範となる地位に
なってしまう分、昇格の条件が厳しくなるのもしかたないっすよ」
「でも八年前はけっこうホイホイと短期でBランク以上にランクアップした
冒険者の人も多かったと聞き及んでますけど……」
「あの時代は異常事態だったっすからね~」
「当時、僕らはまだ子供だったけど、あのフレーズは有名だったよね」
「週刊『世界の危機』だっけ? 一週間に一回は国家危機レベルのA級難度
クエストが複数発生する事態から産まれた迷フレーズよね。笑えないけど」
「国家の危機が多かった分だけ冒険者にも一発成功がある一攫千金の時代。
七大魔王以外にも僻地に雑魚魔王クラスがけっこうウヨウヨ出てきたから、
わりとBランク以上になれる条件は今と比べてユルユルだったんだよね」
「リップル姉も冒険中にトントン拍子でランクアップしたって言ってたから、
雑魚魔王や高レベルモンスターを倒せる実力があれば出世早かったようね。
デビューから一年でEからAになれる時代だったとか信じられないわ」
「僕らなんかデビューして二年近くやってやっとDランクだものね」
「その一方で戦乱の中で亡くなられた冒険者さんも多かったと聞きます。
ギルド統計でもそこまでのスピード出世を果たせた冒険者は2%未満で、
ほとんどはCランク止まりのまま引退、もしくは心半ばに戦死だそうで」
「それはしょうがないよ。冒険者はいつだってそういうものだから」
「戦争屋がてらにモンスターや魔族を狩って出世するなら当然のリスクよ」
「魔物狩りスキルに特化してる勇者クラスの氾濫が起きたのも当然だよね。
とりあえず勇者職になれば出世も早いという風潮。我ながら耳が痛い」
「マウスは村勇者辞めて正解だったわね。時代は勇者を求めてないのよ」
「あの、それでもホンモノの勇者さんは常に求められていると思いますよ。
今は八年前の戦乱の時代が生んだ大量生産の勇者が駆逐されただけで」
「そうだね。僕も勇者職を憧れだけで始めて、現実にブチあたって挫折して、
他の適正クラスに転職を余儀なくされてようやく分かったことがある。
勇者ってのは神様に選ばれ、託宣を受けたうえで名乗れる称号だって」
「救世主かくあるべしね。やっぱり勇者は神竜騎士だけが名乗れるクラスよ」
「僕らには夢のまた夢の次元だね」
「情けないけどね」
「ちなみに『そういう系』の人外を僕は同期でひとり知ってる」
「アレね。たしかにアレはもう人外だわ。もとから才能の桁が違うもの。
逆に言えば、それくらいの神童でないと救世主様にはなれないのよね」
「ああっ、すみません。なんだか重い空気にしてしまって」
「あーっと、話の軌道を戻すっす。つまるところ冒険者レベルというのは
冒険者がどれだけ経験を積んできたかを数値化したものってことっすね。
冒険者レベルが上昇するとスキルポイントが貰え、自分の好きなように
スキルのレベル上げたり、新たに新規獲得ができるようになるっすよ」
「それでは次は『クラス』の項目に移動しますね」
>>『クラスレベルとは?』<<
「クラス項目は簡単。その人がなんの職業についているかを表す項目っす。
転職経験者の場合は今現在のメインクラスの名とレベルが表示されるっす。
クラス名の横にあるクラスレベルは、その職の実力度合いを示してるっす」
「たしか冒険者レベルとクラスレベルは別々で計算されてるんだよね?
経験値の割り振りは同時獲得だけど冒険者レベルとクラスレベルって、
転職をすればするほどどんどん差が開いていく感じ」
「そうっすね。冒険者レベルとクラスレベルは基本的にベツモノの扱い。
獲得経験値は同時にふられるけど、冒険者レベルの上昇に必要な経験値と
クラスレベルの上昇に必要な経験値はかなり違っていて、クラスごとでも
基本・中級・上級になっていくにつれ必要経験値はかなり違ってくるっす」
「もともと冒険者レベルは冒険者としての全体的な実力と経験量のこと。
クラスレベルってのは職業ごとの実力の熟達度合いを指すから別物なの。
冒険者レベルが10で戦士レベルが10の専門型はもちろん強いけど、
冒険者レベルが20で基本クラスを色々幅広くとってるのも強いのよ。
冒険者レベルが高いってことは旅や戦闘の経験も豊富ってことだから。
でもやっぱ特定クラス一筋でやってるほうが絶対的に優位なのは確かね」
「サラはそのあたり典型的な魔法使い一点の出世魚コースだよね」
「そうでなくても魔法使いクラスは必要経験値が他の基本職よりも高くて
クラスレベルを上げにくいからね。他のクラスに寄り道してる暇ないわ」
>>『称号とは?』<<
「称号は特定の条件を満たしたものに送られる二つ名みたいなものっす。
基本的なものだとクエスト達成回数でもらえるもの、特定モンスターの
討伐実績でもらえるもの、クエスト依頼者からもらえるものっすかね」
「みんな最初は【冒険者見習い】からスタートなんだよね」
「わりとノリで作られること多いから称号の種類はとんでもないのよね。
傾向としては【●●キラー】【●●ハンター】【●●スレイヤー】などの
中級難易度以上のモンスター討伐クエで得られる称号が冒険者に人気ね」
「正統派ものなら【王国義勇兵】とか【連邦遊撃隊員】とか真面目なもの。
職人系だと実力に応じた【●●初心者】~【●●師範】といった階級系。
堀ブナ釣りを究めた称号【フナ釣りマイスター】とか変り種もあるし、
中には【ドザえもん】とか【アンタヤルーニャ】とかネタ系もあったり。
僕らはまだ全員デフォルト系の【Dランク冒険者】で称号固定してるけど、
いつかは『らしい』ものを見つけて自分を象徴する看板にしたいね」
「同感。自分もいつか【爆焔の大魔道師】とか讃えられてみたいわ」
「現段階だと【クレイジーサイコファイアスターター】がいいとこかな」
「……コンガリいかれたい?」
「そういうこと平気で言い出すから【CSF】とか言われるんだよなぁ」
「とりたてて称号で得することはシステム面ではないのでシュミの範囲で
カード登録する人が大半っすね。称号の変更は無料でやってるっす。
実績がともなえば有料で自分で考えたオリジナルの称号も登録可能っす」
「マウスリバー探検隊・隊長とかマウスリバー探検隊・隊員とかも?」
「御代さえ頂ければ」
「……それパーティー内で強要してきたらレアまで焼き焦がすわよ」