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Adventures service sector ~ギルドなぜなに目安箱・第三回~

お父さん、お母さん、

就職は決まってないけど、働く喜びが分かりました。


【黒木勇斗語録・ウルティマオンライン 広告】

    >>『第三回・冒険者カードの項目について』<<


「目安箱第三回は冒険者必須の冒険者カードについて説明するっす」


「親の顔より見たカード」


「マウス、あんたはもうちょっと親の顔を見なさいよ」


「……魔王免許よりも項目多くて大変ですよねこれ(ボソッ)」


「前回は冒険者カード登録で受けられる行政サービスのいろいろについて

 説明を行いましたが、今回はカード記載項目についての説明をするっす」


「さすがにこれは僕でもわかる。ステータスの表記のことだよね?」


「いまでは冒険者にとってなくてはならない実力の目安ね」


「そうっすね。冒険者の経験度合いを示した冒険者レベルを始めに、

 身体的能力や各自技能の熟練度や技術力を判りやすく数値化した

 ステータスと呼ばれる項目。これなくして冒険者は語れないっす」


「えっと、このシステム自体は千年前からあるんですよね?」


「数値の精度は今よりもずっと低くて五段階だったらしいっすね」


「それでも十分にすごいテクノロジーだけどね」


「アカシアの記録に干渉して情報抽出するデューダーの秘法さまさまね。

 個人情報をあっさりと数値化できるってのは便利な一方で怖いけどさ」


「実際のところギルドもテクノロジーついては解析が進んでないんすよ。

 デューダーの秘法のメカニズムそのものがブラックボックスだそうで。

 だからシステム導入から年々が経過して抽出情報の精度は向上しても、

 システムそのものを人為的にいじくることは不可能という」


「言い換えるとシステムが完成されているってことでもあるんですよね。

 ほんとに三賢人デューダーさんって千年前の人間なのにすごいですよ。

 古代エルフの知恵という土台があったとはいえ、始祖級の魔王でさえ

 干渉は至難とされるアカシアの記録の片鱗にたどり着けたんですから」


「そう思うと古代魔法帝国ってどんだけヤバかったのよって思うわ。

 古代遺跡の探索が常に続けられて冒険者の食い扶持になり続けてるのも

 当然よね。いまでも革新の種になるって発掘品が高値で売れるもの」


「多くの異邦人の知恵を取り込んで魔道具の技術革新を繰り返したのに、

 まだ魔法帝国時代のテクノロジーには追いつけてないっていうしね」


「でも、現代の大陸の方々の魔道具は素晴らしい飛躍を遂げてますよ。

 異邦人の知恵を参考にして作られた通信術はどんどん進化してます。

 最近発明されたタブレットでしたっけ? 水晶板を利用した携帯型の

 小型モニターなんて魔界ですら発想に至って……あっ、コホンコホン」


「受付嬢さん、このアシスタント役の牛オッパイの人、何者なの?」


「すいません。そこは企業秘密で」


「ヒミツなんだ。あー、でもなんとなく分かっちゃった気がする」


「あやしい……」


「えーっと、話を目安箱の本題である冒険者カード項目に戻しまして、

 カードに記載されている内容は冒険者の身元からステータスいろいろ

 あとこれまで受けてきたクエストの履歴などがあげられるっす」


「クエストの履歴項目は便利だよね。冒険者がこれまでクリアしてきた

 クエストの傾向が分かるから、実績のほかに得意分野の目安になるし」


「そうね。一概にクエストっていっても討伐クエストから採取クエスト、

 調査クエストに護衛クエストとクエストのジャンルは多種多様だから、

 その冒険者がどのカテゴリーのクエをメインにやってるかが分かると

 依頼人視点から見ても採用の基準になって信用度の差が出てくるしね」


「そのとおりっすね。依頼人サイドからも冒険者クエストクリア履歴は

 雇用に関わる重要な要素になってるっす。特定ジャンルのクエストに

 特化したエキスパートには専属契約の道もあったりするんすけど……」


「特定のクエストにばかり偏りすぎるのも問題なのよね」


「そうなんですか?」


「うん。冒険者は基本的になんでも屋だからね。エキスパートなのは

 いいことではあるんだけど、それしか『できない』のは問題なんだ。

 若いうちは全ジャンルをそつなくこなせって訓練所でも習ったし」


「とくに最近は盗賊相手の護衛クエストばかり張り出される御時勢で、

 対人クエストばっかやってランクあげると後々で選択幅が減るの。

 人間相手にした戦闘特化になると悪い癖がついてモンスター相手の

 討伐クエにも支障をきたす恐れがあるし、雇用主も人斬りは嫌がる。

 内乱を見込んで戦争屋の傭兵になるんだっていうなら話は別だけど」


「だからギルドも人気クエストに冒険者が殺到して抽選になった場合、

 冒険者を見繕うときクエスト履歴を参考にして優先度を決めるんす。

 レア素材の採取クエストとかで採取クエストの経験の浅い冒険者を

 信用度の問題から採用することはできないっすからね」


「まぁ、そういうのは掲示板のビラの時点で前提条件に出るわよね」


「そうだね。採取クエストを20回以上クリアした冒険者限定だとか、

 特定ジャンル中級難易度クエスト複数回クリアした冒険者限定とか。

 冒険者ランクとは別に特定ジャンルのクリア回数でもらえる称号が

 あるあたりで、冒険履歴が重要視されているってのが分かるよね」


「つまりクエスト履歴はそのまま冒険者の信用度になるんですね」


「経歴ってのは雇用側にとっては第一印象も同然の重要項目だもの」


「それとはべつに性別や種族で採用の是非が問われることがあるね。

 こればっかりはクエスト内容や依頼人のシュミとかかかわってくる

 問題だから、個人の能力ではどうにもならないものだけど」


「種族限定クエストや性別限定クエストはCランクに稀にあるわね。

 依頼人の人種差別的なものから仕事のジャンル的なものまで様々、

 たしかにこればっかりは生来のものだからどうにもならないわ」


「そういうのは本当に稀っすけどね。ただ、そういうのがある以上、

 冒険者カードには細かい個人情報の登録と更新が必須になるんす」


「更新は三年に一回だったよね?」


「それとクラスや名前の変更、拠点ギルドや住所の変更のときね」


「ええっと、それではまず項目説明は上から順にいきましょうか」


「冒険者カードのデザインは大陸全土ですべて同じ。これは大陸外の

 ひんがしのワ国や西側の大陸に設置している出張所でも同様っす。

 項目は上から順に『名前』『性別』『種族』『生年月日』『住所』、

 生年月日は聖王暦換算で、住所は家持ちならばその住所、もしくは

 拠点としている冒険者ギルドで記載されることになっているっす。


「そこから『冒険者レベル』『クラス』『称号』と続いていくんだね」


「つくづく身分証明証よね」


「クエスト履歴は裏面に記載なんですね」


「そして基本的な個人情報の先は冒険者を冒険者たらしめるステータス。

 これがちょっと説明が長くなるので尺の都合でまた次回っす!」


「それではまたー♪」

祝・たわだん百話到達!!!!

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