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突発短編ネタ~恋姫にアイテムチート放り込んだら~

作者: リム

俺の名前は……だ。ここに俺の体験した不思議な出来事を記す。

俺が今いるのは1800年前の中華、つまり三国志の時代にトリップしてしまったんだ。

勿論最初は焦ったが、なぜか俺は【飲食物を好きなだけ出せるチート】を持っていたんだ。武知魅力の低い俺はそれで今まで生き残れたんだ。ここに送ってくれた神様がいるなら感謝するよ。

この能力で現代日本レベルの農作物を作って、それを料理したものを店で出したら大人気、一瞬で繁盛しまくったんだ。そりゃこんな品種改良なんかも無い、肥料とかもない時代で、現代でも世界に評価されている日本の農作物や肉を使ったら旨いに決まってるしな。今じゃうちの飯じゃないと食えないくらい、この辺の住民の舌は肥えちまったのさ。

まぁもとから食うには困らない能力だから、趣味と交友を兼ねた遊びだし、お金は質に比べてめちゃくちゃ安く設定してあるんだ。そしたら皆めっちゃ来るからちょっと忙しいよ。

そこで新しく従業員を雇ってみた。

「こんにちは!もうここのラーメンじゃないと食べれないんだよねぇ。お兄さんよろしく♪」

馬岱ちゃんである。五月蝿いがうちの飯の虜で、なかなかの美少女なので雇ってみた。どーにも実家とケンカして飛び出して来たらしく、住み込みの働き口を探してたらしい。うちの飯がまかないとして出ると言ったら一瞬で頷いたのだ。

馬岱で気づいたが、ここは三国志の世界らしい。まぁ馬岱ちゃんみたく武将が女の子になってるからパラレルワールドのようなものだが。

「お兄さーん!ラーメンとチャーハン、唐揚げに…」

はいはい、忙しいけど1人より全然マシな方だ。


どうも店を出している所はいわゆる呉の土地らしい。やたらきらびやかな服来た女が来たのだ。

「孫策よ。お酒と美味しいもの頂戴」

また偉いさんが来たもんだ。まぁ客は客だ、美味いもん食わしてやろう。ほれ。

「なに、これ?」

日本酒と焼き鳥さ。食ってみな。

「にほんしゅ、ねぇ。…なにこれ!すごい美味しい!こっちの焼き鳥も美味しい!!」

そりゃこの時代の酒や肉より桁違いに味がいいからな。てかあんま飲みすぎんなよ、アルコール度数も違うんだぞ。

「こんなに美味しいのに飲まないなんてあり得ないわ!おかわり!」

はいはい。


「ぐぅ…」

ほらみろ。今までの酒と同じペースで飲んでたらそうなるんだ。

「お兄さん、この女の人どうするの?」

二階の寝室放り込んどけ。

「はいはーい。…お兄さんも男だねぇ」

ニヤニヤすんな。そんなんじゃねぇよ。一応偉いさんなんだよ、それ。


孫策から真名を貰った。雪蓮というらしい。なんでもこんなに美味い酒と肉を食ったのは初めてで感動したから、だそうだ。真名ってのはわからんが、そんな簡単に教えていいもんなのか?

「たんぽぽはたんぽぽだからね、お兄さん♪」

…お前もか。まぁ美女に親しまれるのは眼福でけっこうだが。


雪蓮ちゃんから聞いた話だが、袁術とか言う今までこの辺を治めてた奴から土地を奪い返したらしい。よくわからんが妹二人がこっちに帰って来たって喜んでる雪蓮ちゃんは可愛くていいなぁ。酒飲むとアレだからなぁ。

「ほら!酌しなさい!」

はいはい。まったく、たんぽぽめ。雪蓮の相手を俺に任せやがって…

「今日は朝まで飲むわよー!!」

日本酒に慣れるの早すぎだろ…ほんとに朝まで飲むからなぁ、こいつは。あと胸押しつけんな、抱きついてくんな。襲うぞ。

「ふふーん、やっとその気になった?ねぇ、ほら、触って…?」

てめぇ、言ったな?絶対足腰立たなくしてやるよ!

「きゃー♪」


「ねぇー…もっとー…むにゃむにゃ」

ね、寝言かよ、勘弁してくれ。たんぽぽがいるのを忘れてた…あいつ途中から乱入してきやがったんだ。いくら俺でも武将二人相手じゃ分が悪い。覚えてろ、リベンジしてやる。

「お兄さん…好き…むにゃ」

…うがー!

「あんっ♪朝からもう一回?」

こうなりゃやけだ!やってやるさ!


「あ~よかったわ!じゃあまたね♪」

さ、さっさと帰ってくれ。というか何であんな元気なんだ。こっちは足腰立たなくなってるってのに。

「お、おにいさーん…」

たんぽぽか、もしかして立てなくなってるのか?

「そ、そうだよ~…」

今日は店休みにするから、休んどけ。

「うん、ごめんね」

…よし、一勝一敗だ。雪蓮には絶対リベンジしてやる。


あれから一年たった。どうにも魏の曹操が呉と蜀の同盟を打ち破ったらしい。しかし曹操は呉と蜀をそのまま残し、三国同盟でもって戦乱の終結を宣言。三国志ってそんなだったか?まぁもうあんまり覚えてないし、俺の生活は変わんねーからいいんだが。

そう、あれからたんぽぽや雪蓮と夜の勝負をしまくり、周瑜(冥琳)や黄蓋(祭)とも体を重ね、さらには同盟といって来た蜀や魏の武将とも親交をする、といった一介の店主らしからぬ生活を送っていたのだ。

まぁ俺の飯が世界一美味いからな、皆けっこうな頻度でやって来るのだ。最近はうちの飯にも慣れて来た呉の奴らだが、魏や蜀では衝撃を受けた奴らばかり。そうやってうちに来て酔って愚痴ってそのまま同じベッドに…という展開が多発しているのだ。良い女を抱けるのはいいが、毎日1人以上抱いてると体が…ん?雪蓮、どしたんだ?

「最近魏や蜀の子達と仲良いみたいじゃないの」

ん、まぁな。どした?嫉妬か?

「っ…そうよ!貴方は私が最初から目をつけてたんだから!」

はいはい。ったく…たまにそうやって不安になるとこは相変わらずだな。

「うぅ…」

落ち着いたか?

「うん…ねぇ?」

なんだ?

「私と結婚して…うぅん何でもない」

そこまで言っといて誤魔化すのか?

「だって!貴方は皆から好かれてるのよ、私が独占するわけには…」

ったく、俺を一人占めしようとしたり、今度は遠慮したり。不安定になったもんだ。ほら、雪蓮こっち向いて。

「なに…?…んっ!」

ん…。なぁ雪蓮、俺と結婚してくれないか?

「えっ…?」

色々と良い思いしてきたけどさ、俺もやっぱりお前が一番好きなんだよ。だから…

「うん…うんっ!」

やっと笑顔になったな。ほら報告に行こうぜ。

「うん…ねぇ、この手離さないでね」

離すもんか、死ぬまで繋いでてやるよ。



Fin




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