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我武者等 5
ガクンと力無く膝から崩れ落ちる光政。
その上に強く握られた拳は、小さく震えていました。
「お前も誇り高き武士の1人だ。
ならばわかっているであろう?
誠の道が…。
幕府も末だ。
お前の言うように、もうこの世は腐りかけている。
心無き者に人は作れぬ。
だから我等武士が世を変える時なのだ。
誰かが機械的に造り上げた世などこの国の姿ではない。
そうであろう…?」
茂が静かに語りかけていると
その時、音もなく木の陰から一人の人物が顔を出しました。
「!!!……。」
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