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我武者等 1
時は幕末。
武士達が志を持ち、
剣と身を極めた時代。
ここにある武士がおりました。
彼の名は、茂。
穏やかで人望の厚い性格の茂でありますが、
幼き頃より武道・剣術を嗜み、
20余りの歳にして、かつてこの国で起きた戦の後より、1・2を争う名高い人物でありました。
そんな彼を良く思わない輩や武士も少なくありませんでした。
そんなある幕末の夜のこと。
主からの遣いの帰り道、
茂は1人夜道を歩いておりました。
誰も通らぬ山道。
茂の足音と森独特の不気味かな音を奏で合い、
獣がそれに警戒しているのかのように騒ぐ声が遠くでしていました。
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