満天の星に誓うは
あえて彼と彼女として…名前は着けてません。
アナタが主人公です。
短い短い…
らぶすとーりーを
ご堪能下さい。
大学に受かっても…何らキャンパスライフを楽しめる余裕など無かった。…
学費は…親に出して貰っているが…
生活費等はバイトを掛け持ちしなければ、いけない。
そちらを優先すれば単位を落としてゆく
削って行くのは睡眠時間に片寄っていった。
大体…どうして都会は、こんなに家賃が高いのか?
一体。政治家や官僚は何をしてるのか?
発作的にテロでも
起こそうか?
などと、物騒な事を考えては打ち消す。
そんな僕にも彼女が出来た。
同じゼミに通う娘だ
彼女は自宅から電車を乗り継ぎ、通って来る。
彼女も勿論、バイトは欠かせない。
噂に聴くキャンパスライフ等…
何処にも無かった。
しかし…時間に追われながらも、単位を取得し…3年生の頃には地元の企業に
就職が内定した。
その年の年末は彼女を僕の田舎に招待した。
招待したといっても九州の山間部…
何が在ると言うわけでもない。
過疎の村特有の近所付き合いと、満天の星位のモノだろう。
僕は彼女を連れだしあまり街灯が邪魔しない。寂しい公園に誘った。…
九州といえど朝晩は冷え込む…
万全の防寒をして
僕らは公園へ向かった。
公園のベンチに腰掛け…
見上げる満天の星空は美しく…
オリオンの三ツ星の側で都会では自己主張さえしない。
小三つ星までが
二人を包み込む。
『ここには…
本当の星空が…
今も残って居るのね?』
『ハッキリ。言ってしまえば、それだけが、この村の宝物だから…』
いつしか、僕は彼女の手を握り締め…
二人…星を眺めていた。
年が明け…
バイトに加え論文にも追われる様になった。
こうなると…
彼女処ではない。
結局そんな慌ただしさの中…
僕らは卒業した。
大学時代の思い出といえば…バイトの掛け持ち…厳しい単位の取得…睡眠不足…
そして…あの日…
二人で眺めた満天の星空しか、思い浮かばない。
卒業してからは、
仕事が忙しく。
また…彼女もおなじ様に仕事に追われていた。
彼女は東京の出版社に就職していた。
お互いに連絡を取り合うことも少なくなり。
遂に音信が途絶えた。
僕が地元の企業での営業を順調にこなし…
いくらか…余裕が出て来はじめた頃。
一通の手紙が僕の家のポストに投函されていた。
その手紙には…
懐かしい彼女の文字で…
都会では…雨上がりでさえ…満天の星空が見えない…
街の、灯りが、
邪魔をするの…
また…あの満天の星空に包まれたい。
と書いてあった。
数日後…彼女も
一通の手紙を手にする。
その手紙には…
一枚の新幹線切符と
クリスマスイブでの
満天の星空への招待状だった。
クリスマスイブ…
彼女は新幹線に乗り込み。
博多を目指した。
博多駅では彼が待ち受けていた、ローカル線を乗り継ぎ…
彼の地元へと向かう。
日が沈むと、空が漆黒の闇を纏いだし
チラホラと明るい星が顔を出しはじめる。
やがて、二人の座る公園のベンチの上に包み込む様な満天の星空が現れた。
彼女は彼の肩に寄りかかり…
彼は…彼女の肩を抱き寄せ…
ブロポーズをした。
彼女は小さく頷き
彼ははにかむ様に
そっと…
口づけをした。
二人には、ただ…
星達の祝福だけが聞こえていた。
如何でした…
星に纏わる物語…
の第二弾は?
まだまだ…
不定期ですが…
載せて行きます。
とうか…可愛がってあげて下さい。