第六十五話 スタンディング食パン工場建築化決定の鍵のホテル。帝都グランドチャンピオン。
こんにちは。荒高まっぽです。
パン工場編、今回は鍵となるホテル側のお話です。
帝都グランドチャンピオン。
名前はともかく、中身は完璧なホテルです。
――パン以外は。
よろしくお願いします。
はい。今まで工場長家族の動きを案内してきました。
ところで契約してるホテルの名前は帝都グランドチャンピオン。
初代オーナーが大きくしたいと望んでつけたようです。
客は
「名前以外は完璧なホテル」
通称グラちゃん。
グラちゃんは首都キィキィコクバンの観光地に建てられた由緒あるホテルです。
創業150年。
今のオーナーは5代目です。
なお女帝でした。
名はサイ・ゴニカツです。
48歳、独身。
白髪を黒く染めてショートカット。
髪の手入れをするならその時間を仕事に充てたい合理主義者です。
髪を染めるのも本当はやめたいのですが白髪まじりだとどうしても老けて見えます。
女だてらで、相手に舐められないは大事なのです。
スカートは嫌いでパンツスーツ。
身長はこの国の女性平均です。
スレンダーでも肥満でもなく。
デキる雰囲気以外は普通の人ですね。
この帝都グランドチャンピオン、実はサイがかなり強引な手を使ってリニューアルオープンを数年前にしていました。
このままだといずれホテル業界の衰退に巻き込まれてホテルの営業が維持できないとサイは見立てていました。
そしてやってのけたのがホテル外のエンターテイナー化でした。
水族館並みの水槽に巨大なサメ。
初めて来た客への洗礼。
子供達は⚪︎ィズニー並みの遊園地。
エレベーターはホログラムで退屈させない。
アーケードは見上げればすごい立体的な映像を四季折々で流している。
大人はカジノ。
すっからかん防止に所持金申請制。
冬でも入れる室内温水流れるプール。
映画館設置。
ルームサービス、レストランは美味。
だから今契約していた卸のパン業者が亡くなり後継者がいないため穴埋めで入れている大手パン屋は不満。
コンセプトはお金さえあれば生きるのは楽しい。
周りは莫大な資金を使うリニューアルに反対しましたがサイは自身の首をかけてプロジェクトを押し進めました。
結果は差別化大成功。
リピーターに支えられるホテルになりました。
ターゲットは富裕層。
毎回帝都グランドチャンピオンに来る客はエンターテイメントで驚かされてばかりです。
完璧なホテルだった。
誰もがそう思っていた。
――ただ一つを除いて。
パンだった。
だから建築を急いで欲しいのですね。
約束の期日まであと3ヶ月時間がありました。
先方には早くできても構わないと伝えてあります。
スタンディング食パン屋から直接買い付けも考えましたがホテル規模の受注は無理だと断られてしまいました。
時間稼ぎで米と麺のフェアをやって凌いでいます。
何も知らないノイズは今日も呑気にパンを焼いたりYouTubeの歌ってみたを収録して1日を終えました。
シズカは黙々と候補地の絞り込みをしていました。
実際工場プロジェクトはシズカが実権を握っています。
ノイズの責任者の名前はお飾りです。
ノイズはサイとは面識はありません。
シズカは会わせなくてもいいだろうとは考えていました。
だってノイズのバカは知ってる人が少ないほどいいのですから。
今回はここまで。
次回こそ工場建てる。
第六十六話をお楽しみに。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
サイはかなり好きなタイプの経営者です。
合理的で、覚悟があって、ちゃんと結果も出している。
だからこそ、唯一の弱点がパンというのが少し皮肉ですね。
そして相変わらずノイズは何も知りません。
知らないまま物語の中心にいるのがノイズです。
次回はいよいよ工場建設に入ります。
ようやくです。
第六十六話もお楽しみに。




