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一月二十日
かなしみをかかえて歩け
きっとこの痛みが導いてくれるはず
そう信じたまま、斃れる日まで
絶望をかくして歩け
彼は言った、「絶対にばれてはいけないよ」
「さらされてしまえば、どこまでも陳腐」
怒りをおさえて歩け
ふるえる拳を握りしめ
いつか本当の神を討つために
虚しさをこらえて歩け
涙こぼれてもいい
許し許されるその日まで
(頓詩)
200字に足りないので、蛇足をば。
今日は桜の森の満開の下を読んだ。季節外れも甚だしいが仕方ない。
男が思い悩むシーンがいいのだ。無限の空の明暗は、女を殺せば止まる。空が落ちてきて、男はほっとする。しかし胸にはぽっかり穴が空いていて、鳥は飛び立ったあとだ。
男の胸には初め、鳥はいなかったのではという気がする。それが女と出会ったので鳥が生まれたのだ。女はどうだったのだろう。彼女は夫を殺される前からあのような狂った女だったのだろうか。胸には女の胸にはずっと鳥はいないのか。それとも、居たけれど死んだのか。
それにしてもラストが美しい。おすすめです。




