表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売命日記  作者: 山田羽二男
Sparkle
3/35

一月三十日

彼は雨に濡れたまま、アスファルトの上を踏んで行った。雨は可也かなり激しかった。彼は水沫しぶきの満ちた中にゴム引の外套の匂を感じた。

すると目の前の架空線が一本、紫いろの火花を発してゐた。彼は妙に感動した。彼の上着のポケツトは彼等の同人雑誌へ発表する彼の原稿を隠していた。彼は雨の中を歩きながら、もう一度後ろの架空線を見上げた。

架空線は不相変あいかわらず鋭い火花を放つてゐた。彼は人生を見渡しても、特に欲しいものはなかつた。が、この紫色の火花だけは、──すさまじい空中の火花だけは命と取り換えてもつかまへたかった。

(或る阿呆の一生・芥川龍之介)


また、芥川。


平日は仕事があるので精神が安定している。

休日もライフ・ワークはあるのだけれど、あまり時間があるとかえってそれに手をつけないまま過ごしてしまうので良くない。


私にも、月の光の中にいるような女のひとりも居れば良いのだが。

私は絶望しているが、絶望の中にも一筋の希望のあることを最近知った。希望は、探し続ける他に無いのだ。探し続けている間は、生きていられる。

私は今は、「人生は一行のボオドレエルにも若かない。」と呟いた青年芥川の冷めた言葉を侮っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ