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二月十三日
人々は持つだろう
あたたかい夕餉を持つだろう
静かな憩いを持つだろう
共感にほほ笑み
善意なるものに満ちていよう
無限なるものに包まれ
美しい手紙を秘めていよう
すべてやさしくつよかろう
彼等の敷き布は白かろう
夜は深く
ねむりはあまくまるかろう
(人々は持つだろう・中野鈴子)
人々は待つだろう、と見えた。
誰を? あるいは、何を?
中野鈴子も私も、この詩の唄うように、あまねく人々が幸福に遇しているとは思っていない。少なくとも今この時、こんなひとばかりで無いことを知っている。
しかし人々は持つだろう。やさしくつよくあるだろう。あまくまるいねむりのあるだろう。
そう願うひとを持つだろう。




