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Appendix  作者: G-Ⅲ
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見捨てられし者

 トレイタの前に現れたのは全身を(きよし)ブランドに身を包んだ勇者だ。

 彼の脳裏に蘇るのは勇者が最強だった時の記憶。

 あの当時はまだ、聖なる武器や防具があまり普及していなかったこともあって、彼らは無双の限りを尽くしていた。

 しかし、いかんせん強すぎるというのはどのダンジョンや魔王城でも問題になり、彼らは次第に行き場を奪われていく。

 そんなころ、卓越した技能を持つ技術者が開発した言われていたのが聖シリーズだった。その効果は絶大で、装備者の能力を激減させることができたのだ。

 だが…。

 力のほとんどが失われたとはいえ、装備をした者は依然、攻略において圧倒的な強さを誇ってしまう。

 すると、それに目を付けた一部の業者が適当な増強効果を持った偽物の販売に乗り出すようになる。

 しかも念入りに、古代の神が使ったとか、魔獣を倒したとか、神を殺した、なんて逸話をつけて。

 その結果、わずか十数年で元々重要が少なかった聖シリーズは廃業に追い込まれ、彼らの技術は失われたという。かわりに台頭してきた偽ブランドも、その後数年で市場に溢れかえり、粗悪品なら露店でも購入できるようになってしまった。


 でも、いまここにいるのは本物の聖製を装備した勇者だ。

 そんな彼が吸血鬼の配下に、なぜ?

 深まる謎に戸惑いながらかける言葉を探していると

「センスのない鎧ですね」

 背後からいきなりセンデンが声をかけた。

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