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創世の強者
蹲るフィッチの姿をみながら
「無双系もたいしたことないねえ」
そう呟く老婆の視線の先にはトレイタがいた。
「そうは思わないかい?」
「え?んん?そうかな?そうかも?」
どこかで見たような気がする、かもしれない。
「そうかい、それじゃあ久しぶりに思い出させてあげようかねぇ」
言い終えるのと同時に老婆が動く。
この動き!?
トレイタの脳裏によみがえるのは、あまり良くない記憶。
彼が城の営業を始めた当初はの思い出だった。
攻略難易度を高くすればするほど勇者が減る。かといって難易度を下げ過ぎても飽きられて赤字になってしまう。
苦悩の末にたどり着いたのが、位階イベントだった。
難易度によってそれぞれが楽しめる。そこに気付かせてくれたのは…。
「あ、あなたは…」
そう、彼女は全盛期を終えて倉庫番になっていたはず。それが何故ここに?
戸惑いを隠せないトレイタを見て老婆が笑う。
「バージョンアップってやつさ。その力、ちょっとだけ解放しようかね?」




