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死闘の幕開け
神速。
と言っても過言ではないほどブリックの動きは素早かった。
そう、彼の動きは一味の誰ひとりとして反応することが出来なかったから…。
かろうじて姿を捉えることが出来たとしても、阻止することはかなわず。彼は、そう。
それほどの鍛錬を繰り返してきたのかもしれない。
吸血鬼の行方とは?
ここでマルチイが動いた。流石はブリックのマネジメントをしているからなのか、こんな事態は既に経験済みなのかもしれない。
彼はゆっくりと化吸血鬼の消えた扉へと向かう。案の定、ノブを回しても開く様子は無い。そこで。
軽いノックの後、優しく語り掛けるように
「嫌なことから逃げても何も解決しませんよ。ここを開けてください」
「マジか…」
この、思わずこぼれたセンデンのつぶやきが、扉の強度をより強固なものにしてしまう。
そして…。
一味とセンデンは扉を開くための戦いに突入していく。
――やがて。
長く苦しい死闘に終焉が訪れる。
「まことにごめんなさい」
センデンが、唇を震わせながら声を絞り出す。
こうして死闘に幕がおりた。




