恐怖の前触れ
「もう…、良いですか?」
不慣れな城攻めで緊張したのか、トレイタが
一応。
と言った感じでお伺いを立ててみる。
するとマルチイが、若干、だとは思うが不機嫌な顔で答える。
「ええ!先ほど紹介も終わりましたし、結構ですよ!」
最後の語気の感じから若干、のゲージを少し上回っているような感じだったような気もしないでもない…。
でも、城に引きこもっていた彼が、それ以上強く言うことはしない。かわりに、と言っては何だが、自分の言葉を代弁してくれそうな相手を探すように一味を見渡した。
「歴史ある?始祖?笑わせるねえ!」
強めの言葉で吸血鬼たちを笑い飛ばしたのは、予想通り?センデンだった。
「愚民が…」
マルチイが応戦するように呟く。
「我ら吸血鬼は悠久の時を経て、今もなお語り継がれる存在なのだよ、君たちのような使い捨てと一緒にしないでもらいたいね」
「メジャーなのは何人かだけで、後は生き残りのために状態変化してるんじゃなかったっけ?」
「そ、そもそも我々は上級怪物は、狩場を侵すことを好まない種族なのだよ!清らかな乙女の血液を求める我々には、ね!」
「引きこもりで成人女性に相手されない、ってだけの陰キャじゃないの?」
「し、失れいなっ!私は長年培った大人の魅力が溢れ出して、ご近所の淑女が意識を失うほどの人気で自慢で、かっこよくて、紳士でエリートで上級で、素晴らしいんだぞ!」
「加齢臭のキツイおっさんが、不快な口臭まき散らして迷惑かけてるだけでしょ?」
「な、な…。由緒がすごくて偉くて、それで、それでものすごくて素晴らしいくて、それで、そんな私が偉いのに!そんな事を言うとは!さてはキサマ!相手の感情を逆なでして平常心を奪う、その、あれだな!そう!あれだ!なんか…、そう!訓練!訓練をうけているな!!」
ずいぶんオマケして、平常心の範囲内。そんなブリックの叫びにセンデンは
「ただの才能ですけど?」
と、答えてしまう。
ブリックはキれた。




