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Appendix  作者: G-Ⅲ
30/59

真の伏兵現る

 動きはない。

 相手に動きがなければ、こちらとしても普通の客として振舞うしかない。魔王達は雑談をしつつ食事を終わらせた。

「勘定をしてもらおうか」

 雰囲気には不満だったが食事には満足した彼らが店を出ようとした時に事態が動いた

「旅のお方、あんたらをここから先に行かすわけにはいかねえな」

 誰が言ったのか?

 声と同時に店にいた客が全員立ち上がる。

 え?全員?

 十数人かちょっとした人数だな、とトレイタが考えていると厨房から武器を持った従業員が姿を現すのが見えた。もしかして罠?

 この店全体が敵だらけで誘い込まれた?

 いろいろ思い浮かんでくるが、こうなってしまうともう考えても意味がない。戦うか、逃げるか?

 選択肢があるように見えたが、従業員に退路退路を断たれた現状だと戦う以外には無いだろう。

 結論が出る前に夜使いが動く、突然

「四天王の一人である我が貴様らをここから先に行かすことは出来ないなぜなら我は先日行われた歴史ある四天王コンペティションにおいて昨今稀に見る激戦が繰り広げられたと言われている大会でほんの僅差によって惜しくも敗れたが優勝者が辞退されたことで繰り上げ当選したほどの…」

 ここで大きく息を吸う

「実力の持ち主だ!」

 ここで発言者がキメ顔を披露する。

 息継ぎをせず一気に捲し立てられた口上が慣れてない感じで、見ていると恥ずかしい。

 それでも夜使いの気勢は削がれたようで、少しだけ効果があったかもしれない。

 すると

「おぉー!四天王!四天王!」

 新四天王の登場に湧く店内は四天王コールであふれかえった。

 何の時間だ?

 付き合いきれない。と感じた風使いの一人が店内に舞い込む風を掴む。いったん強く握りしめた風を圧縮し、強化する。と彼の手に三センチ、二メートルほどの風の棍が握られていた。

「あまりやりすぎるなよ、ケイルト」

 もう一人の風使い、ラッフロウが風棍(ふうこん)の威力に不安の込めて言った。

 屋内で使うには強すぎる技だが、自分の技も室内向きじゃない。ここは見守るしかないだろう。

 この間にもケイルトの手の中の棍は風を内包し、強さを増しているように見えた。

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