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Appendix  作者: G-Ⅲ
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旅立ちの日

 この日、平和な日常を脅かす悪の存在を退治するために魔王が立ち上がった。自分たちの平和(にちじょう)を守るために、今。

「何をしてるの!?行きますよ!」

 盛り上がった気分に水を差されたトレイタが、生返事交じりでパーティーの元へと向かう。そこで待っていたのは、夜使いと風使いが二名。そして言刃(ことば)使いとかいうキャラだ。百歩譲って夜使いとか風使いなんて言うのは一般的にかろうじて聞いたことがある職業だから許すとしても、言刃つかい?

 コンプライアンスとかマナーとかそんな事を言い出す口先だけの奴なのか?もしかしたらそいつは、吸血鬼に訪問時間の礼儀とか挨拶とかを一言モノ申す感じで参加したのか?

 人選に疑問が残るパーティーだが、婆やが決めた以上抗うことは出来ない。内心では大きな不満を抱えながら、トレイタは渋々出発するのだった。


 そして二日後。

 (トレイタ)は変わった。いや、変わったのは彼自身じゃなく、彼の言刃使いに対する印象が変わったという事だ。肩書をそのまま受け止めていたトレイタは当初、肩書通りの格式や礼儀にうるさいだけの小物だと思っていた。でも、想像していたイメージとは違う姿を見た彼が感じたのは、別にそれほどうるさくない小物だ。という印象だった。

 それというのも、言刃使いは他の夜使いや風使いと違って明確に力を発揮するようなタイプではなかったし、能力を示唆するような出来事も起きなかったからだ。そのせいでトレイタの彼に対する評価は、時々ちょっとした毒舌を放つけどそんなに悪くない奴で、戦闘能力で言うと下の中くらいの小物だという結論に達していた。

 彼の日記にもそう記されている。

 そして魔王の出立から三日目。それは起こった。

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