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転生令嬢、生活改善サポート始めました! 〜なりたい自分に、貴方はなれる!〜

作者: レモングラス

勢いで、書いてみました。

こんな小説書きましたが、個人的には健康的でもそうでなくても、自分自身が幸せなら良いと思っています!


異世界転生/転移の日間ランキングに載せて頂きました!

手を止めて読んでくださった皆様、ポチッと評価を押して下さった皆様、本当にありがとうございます!!




「ミーア様! やりましたわ!!」

「私、とうとうギャフンと言わせてやりましたわ〜!!」


本人の名誉の為に言っておくが、悪役令嬢ではない。


高らかに笑い声を上げ誇らしげに入室してきたのは、スタイル良くドレスを着こなした伯爵令嬢だ。


「まぁ! それは宜しゅうございましたわ」

「全ては貴方様ご自身の努力の賜物ですわね」


私はにっこりと微笑むと、大いに賛辞を贈った。


ここは私の事務所の応接間。

彼女は顧客の一人である。


私はいわゆる異世界転生というか、ある日突然このミーアという18歳の男爵令嬢と入れ替わってしまったようだ。


元の世界では23歳。

健康管理をメインとする念願の会社で働き始め、休日の趣味は不健康バンザイ夜中までweb小説を読むことだった。


憧れの異世界転生。しかも貴族令嬢。ドレスを纏える日々にテンションが上がり……急降下した。


何故って?


そりゃもう、ひとえにご飯が不味い。

香辛料たっぷり、ラードたっぷり、ベトベトギトギト。


さっぱりとした和食が大好きな私には、拷問のような食事のオンパレードだ。


道理でミーアの周りの貴族は、控えめに言ってもふくよかな人間が多い訳だ。


早死しちゃいますよ? 大丈夫ですか?


ちなみに女性に限定して言えば、ふくよかなのは裕福な証拠だからOK。

でも、何事も過ぎるのはNGらしい。

全く…


入れ替わった当初はミーアも、ほんの少し歩いただけで息が上がり倒れ込みたくなるほど体が重かった。

血圧大丈夫なのか?


これはいかん。

ということで、私は持てる知識を活かして生活改善を始めた。


野菜、お豆たっぷりスープに、お肉はヘルシー蒸し焼きで。

お茶菓子用に、ライ麦とナッツのシリアルバーも開発した。


そうして半年後には、手持ちのドレスを総取っ替えするほどの成果を上げて今に至る。


私の変貌を羨んだ友人達に請われて、一人ひとりにアドバイスを行った結果、どんどん口コミは広がり……


ならばいっそと、この世界で会社を起ち上げた。

『なりたい自分に、貴方はなれる!』

我が社のキャッチコピーである。


実は、自身の体型や健康を気にしている女性は多く、中には自分を貶めた男性を見返してやりたいと強い意志を持った女性もいる。


そんな女性が健康的かつ、自分に自身が持てるようお手伝いするのが私の使命であると自負している。


さて。

女性限定と謳っているにも関わらず、今日応接間のソファに腰掛けているのは同年代の男性だった。


「お願いします!」

「女性限定とは伺っていますが、どうしても痩せたいんです!!」


確かに。

このままいったら10年後に突然死しちゃうかもよ?

って本気で心配だな。


うーん。

私が断ったせいで、将来何かあっても嫌だし。


「男性は本来、お引き受けできません」

「ですが、御身体が心配ですので通常の2倍の報酬額でしたらお引き受け致します」


本気度を試すつもりもあり金額を吹っかけさせてもらったのだが、この青年、ライリー様は喜んで承諾した。


契約書を書き終え、メジャーを手にした私は

「では早速。上半身のお洋服を捲り上げてお腹を見せて頂けますか?」

と、仕事に取り掛かった。


「………えぇ!?」


ライリー様は一瞬ポカンとした後、真っ赤な顔で絶叫した。


だから女性限定だったのに。

効果を確かめるにはお腹周りの測定が必要なんですよ。体重計なんてないし。


「側仕えには後ろを向かせますので、お・早・くお願いいたします」


圧をかけ、やけに恥ずかしがるライリー様の測定を手早く終えた私は、次に生活習慣を聞き取っていく。


するとお母様である侯爵夫人の溺愛っぷりが浮かび上がった。

毎日のお茶の時間にライリー様の同席は必須で、極甘お菓子をこれでもかと勧めてくるらしい。


よし。お母様やシェフにも協力して頂きましょう!

まずはライリー様自身がお母様にお伝えして協力を仰ぎ、1ヶ月後にまた来てもらうこととなった。


そして約束の日ー


うん? 更に増えてないかい?

どうやら極甘お菓子撤去作戦は失敗したようだ。


「ライリー様。明日にでも侯爵家に伺いますのでお母様にご理解頂けるまで、頑張りましょう!」


翌日お会いしたカレン様は、優しい笑顔が素敵な女性だった。


「ライリー様をとても大切になさっているのは良く分かります。ですが愛があればこそ、ライリー様ご自身のお気持ちを尊重し、共にサポートして下さいませんか。ライリー様のご決意は素晴らしいと思います」


私は、熱血教師ばりに熱く語り、とうとうカレン様攻略に成功した。


「ライリーのことを、そこまで想ってくれているのね……

ミーアさん。私感動してしまって……本当にありがとう」

「貴方になら任せても安心だわ。ライリーのことを宜しく頼むわね」


これは…攻略自体は成功したけど、失敗パターンなのでは?

誤解されてる気がしてならない。

でも相手は格上の侯爵家だから、失礼なことは言えないし。

私は高速回転で最適解を探した。


①『大切なお客様ですので当然です。しかも、報酬は2倍払って頂きましたので、見合った分の仕事はキッチリします!』


②『私にお任せ下さい。ライリー様のお気持ちに寄り添い全力でサポートいたします!』


①は……本音ではあるが、感動している人に向かってこれを言うのは人として如何なものかと思う。バツ。


②は……業務上は理想的な姿勢なのだが、間違いなく誤解を上塗りするな。バツ。


あれ。選択肢が無くなってしまった。


そこへライリー様本人が助け舟を出してくれた。


「ミーア嬢のサポートプログラムは素晴らしく優秀と評判なんだ。母上も一緒に参加されてはどうだろうか」


ナイス……!!

カレン様は誤解だと分かり残念がられていたけど、新規顧客をゲット出来た私はご機嫌だ。


カレン様ともすっかり打ち解け、今ではライリー様同席のヘルシーお茶会にも度々呼んでいただく仲だ。


お二人は相乗効果で、みるみる内にスッキリ体型、健康的にになられた。


特にライリー様は体が軽くなったと喜び、鍛錬まで始めたらしい。

うんうん。

運動は素晴らしい!


◇  ◇  ◇


「先日のお茶会でのライリー様のお話、もうお耳にいれまして?」


何だか最近、ライリー様の評判をよく耳にするようになった。

優しそうな瞳が素敵だとか、気配りが素晴らしいとか、堂々と意見を述べる姿が凛々しいだとか。


ふん。ようやく気付いたのか。ライリー様の良さは他にも沢山あるんだからね!


ライリー様の努力が実を結んだ結果なのだから、喜ばしい筈なのに……

そんな話を聞くたびに何だか面白くない気分になってしまう。


悶々とした気持ちを抱えながら、私は今日王家主催の夜会に参加していた。


エスコートは従兄に頼んだが、会場に着くなりさっさと放り出されてしまい時間を持て余している。


折角だからとスイーツコーナーに向かった私は……


ドクンッ。


ライリー様と、儚げで可愛らしい少女が腕を組んで仲良さそうに笑い合っている姿を目にしてしまった。

ライリー様はほんのり頬を染めている。


あぁ……。そうだよね。

ライリー様だって、若くて守ってあげたくなるような可愛らしい女性が好みに違いない。


人気もあるみたいだし、顧客が結果を出せて良かったじゃないか。

今度ライリー様に、素敵な女性と出会えて良かったですねとお祝いを伝えなくちゃ……


反射的にクルッと背を向け、私はひたすらモグモグとケーキを頬張ることに集中した。


『夜にスイーツを食べるのは控えましょう』なんてもうどうでも良い。


食べることに集中していないと、必死に堪えている糸がプツンと切れて崩壊してしまいそうだった。


「ミーア嬢?」

「ここに居たのですね!……ケーキを山のように頬張るなんて珍しいですね」

「貴方にもスイーツを思いっきり食べたくなる時があると分かり、安心しました」


私の手元の皿にある、色とりどりのスイーツ達を目にしたライリー様は、茶目っ気たっぷりに微笑んだ。


むう。誰のせいだと思ってるんだ!!


「良かったら、庭園へ一緒に行きませんか」


エスコートしていた女性は良いのか気になったものの言い出せず、促されるまま外へと向かった。


今日は庭園もほんのりライトアップされていて、幻想的な雰囲気を醸し出していた。


「ミーア嬢」

「貴方のお陰で、私は自分に自信を持つことが出来るようになりました」


ライリー様はいつになく真剣な表情で、私の手を取った。


「これからは顧客の一人ではなく…私の伴侶として寄り添いサポートして頂けませんか」


えっ!?


「…先程仲良さそうにされていた女性は宜しいのですか……?」


「見ていたのですか! あれは親戚の妹分です」

「今宵貴方にプロポーズすることを見破られ、恥ずかしながら茶化されていたのですよ」


なぁんだぁと力が抜けた途端、糸が切れて涙が零れてしまった。


「ふぇっ。ライリー様はすっかり女性に人気になっちゃったし、可愛らしい恋人までいるのかと思って……」


「私が決意したのは、貴方に想いを伝える自信が欲しかったからです。他の女性は必要ありません」


きっぱり言い放つ格好いいライリー様に、私はぎゅっとしがみついた。


「ライリー様。大好きです!」

「私が一生、お側でサポートいたします!!」

最後までお読み下さり、ありがとうございました!

執筆超初心者ですので、【まだまだだな】【面白かった】など教えて頂けると大変参考になります。

宜しくお願いします!!


誤字脱字報告ありがとうございます。

修正いたしました。勉強になります!

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