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僕とは住む世界の違うヒト-4

「友だちだからじゃない?」


「……誰と誰が?」


「私と日下部くん」


 敢えてツッコむのはやめておいた。否定しても面倒臭い。いや、肯定してもそれはそれで面倒な反応になるだろう。


「なんかね、高階さんに一年にいる休学していた男子と仲良いのかって聞かれたから、よく会いに行ってるよって答えたの」


「それで?」


「うん? それだけ」


「前後の会話とかないわけ?」


「だって、いきなり聞かれたし……。あ、何でそんなこと聞くんだろうと思って高階さんに聞いてみたけど、特に理由はないって言われちゃったし」


 特に理由がないのになぜ、僕の話を長門に尋ねるのだろう? 頭の中には無数のクエスチョンマークが現れる。生徒会長だから? いや、いちいち尋ねるか? 休学して、一年遅れで学校に復学したというのは目立つと言えば目立つことかもしれないが――。


「機会があったら高階さんと話してみたら?」


「一年生の僕が二年生の高階生徒会長と話す機会なんてないよ」


 そもそも同級生ともほぼ会話をしていないのに、学年が違う異性の生徒と話す機会なんてあるわけがない。


「二年の私とは話してるじゃない?」


「それは毎日のように長門がこの教室に来るからだろう」


 長門は「あ、そっか」と歯を見せて笑う。可愛くない、とは言わないその笑顔。僕は横目でその顔を見ていた。そして、長門は立ち上がると「じゃあ、そろそろ自分の教室戻るね」と手を振って、一年生の教室を出て行った。


 そういえば、昼になると毎日のように僕のクラスに来ているが、長門はクラスメイトとは仲が良いのだろうか。これまで、長門からクラスメイトの話は聞いたことが無かった。それこそ、高階さん以外の名前は聞いたことがない。


 二年生のクラスで浮いている――? 僕は少しだけ長門のことが心配になった。心配している僕もこの学年で浮いているのは間違いないことなのだけど。


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