そこじゃなかったか・・・(桃花)
教室の窓ガラスが割れてしまった…
クラスの男の子たちに混じってボールを投げ合っていたら割れたんだ…
まだ、先生は来ていない。
ここで重要なことは私が投げたボールで割れてしまったことだ。
言い逃れはできない私は怒られる。
そして、弁償になるとお母さんに話が言ってお母さんからも怒られる。
・・・ 恐ろしい ・・・
教室はこの惨状で騒ぎになってしまい。
先生を呼びに行く子、割れたガラスを片付ける子、静観する子と対応は様々だ。
私は、ほうきとちりとりを使ってガラスを片付けている。
「また、お前たちか・・・」
怒った顔をした先生がやって来た、事情聴取がこれから始まるのだろう。
しかし、私にも言い分がある。
この言い分が通れば、お叱りも多少軽くなるのではないだろうか
問題は『なぜ、窓ガラスが割れたか』ということなら私も言いたいことがある。
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数分後、私たちのクラスで緊急会議が始まる。
生徒指導というやつだ。
「ま、いつものことで。俺もやる気は無くなっているんだがな」
先生は呆れ顔で教卓に左手を置き、右手で目頭を抑えている。
もう、こいつらは困ったやつだ、と思っているんだろう。
「なら、やめましょう」
私と一緒に騒いでた、タケルが答える。
「タケル、お前はこの騒動に関わっているのか?」
と、先生。
「キャッチャーやってました」
とタケル。
「ああ、そうか。ならピッチャーとバッターもいることになるな」
先生はため息を吐いて続けた。
「桃花、お前はどこにいたんだ、関わってるんだろう?」
そりゃ、いつものメンツだからね・・・
「えー、ピッチャーをやってました。」
「で、投げたボールでガラスが割れたでいいのか?」
「そうですけど」
「けど・・・・何か言いたいことがあるのか?」
・・・ 来た!! ・・・
「そもそも、この教室の窓ガラスが割れやすいことに問題があるんじゃないかと・・」
そう、このガラスがもっと強固なものならこの事態は起こらなかったはず
「室内で球技をやると想定されて作られてないからな」
先生から一蹴。
一つ目の言い分、通らず。
「それとキャッチャーがきちんと取っていれば割れなかったんじゃないかと」
「キャッチャーに責任がある・・・と」
「そうです!!」
ふざけるな、とキャッチャーの誰かが吼えているがいまは我が身が大事。
先生は言葉を失っている。
二つ目の言い分は通った・・・か?
「あのなー、まずは室内でソフトボールをしたことが問題だと思わんか?」
『・・・・・・』
そこからは
『なぜ、窓ガラスが割れたか』と言う議論から『なぜ、室内で球技をしたのか』
と言う話し合いに流れていき当然のごとく私たちは先生とお母さんから怒られたのだった。
問題にしてる論点が違っていた、と言うことです・・・・・・はい