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第5話

 案内された部屋は1人用にしては規格外なほど広い部屋だった。

 本来は2人用の寮らしいがサラ先生曰く、


「Sクラスなのでー。特別ですよー?」


 だそうだ。


 めちゃくちゃ優遇されてるな、Sクラス。


 魔法が使えるってだけでこんなに特別扱いされるものなのか。


 200年前も魔法の天才として散々特別扱いされてきたから慣れてはいたはずなんだが、体感10年振りなのでなんだかむず痒い。



 というかここまで魔法が希少になっていたら研究も止まってるんじゃないか……?


 心配すぎるが、その分魔術があるからまぁ退屈はしないだろう。



 そんなことを考えながら母さんの弁当を完食する。



「うん、やっぱ母さんの手料理は美味いな」



 この後はそれぞれのクラスに集まれという指示を受けている。


 サラ先生は確かクラスメイトは3人だって言ってたな……。


 どんな人がクラスメイトなんだろうか、そういう期待を持って自分の教室に向かった。



 ◇



「ペイルくんー、いらっしゃーい」



 教室に入るのは俺が最後だったらしい。


 既に他の3人は席についていた。



 人数が少ない分教室はスカスカで、なんというかとても寂しい感じになっていた。


 一応Sクラス用ということで小さめの部屋にはなっているが、それでもかなりの空きスペースがある。


 横並びの机が4つと教壇が1つ。


 空いた机を見るに俺の席は1番左端らしい。



 サラ先生は俺が席についたのを確認すると口を開いた。



「えーっと、初めましてー。今日からみんなの担任になるサラですー。とりあえず今日はー、みんなに自己紹介とかー、交流とかしてー、仲良くなってもらいまーす」



 じゃ、1番右の人からお願いしますー。と言われると俺とは逆端に座っていた女の子が立ち上がった。


 ぱっちりした目に少し長めの茶髪をポニーテール。小顔で活発そうな印象を受ける美少女だ。



「初めまして、ミーア・ミリオンですっ。好きな食べ物はハンバーグ、趣味はオシャレと本を読むことです、よろしくね!」



 ここでウインク。美少女だからかなり絵になる。


 きっとかなりモテるだろう。



 ミーア、と名乗った少女が座ると、続いてその隣の大人しそうな女の子が立ち上がった。


 ショートボブの髪に大きな目、こちらもミーアに負けず劣らずの美少女だ。


 そしてなによりも目を引くのは胸に実る大きな果実。


 ミーアも大きな方ではあるが、それでも彼女と比べると見劣りしてしまう。



「え、えっと、マホ・アイリーです……。あの、わ、私もウインクとか、した方が良いですか……?」


「いやいや、いいよいいよ! 私が勝手にやっただけだから!」


「あ、良かった……。そういうの苦手だから……」


「なんか改めて言われると恥ずかしくなってきちゃったかも」



 ほっとしたように胸を撫で下ろすマホと、タハハと笑うミーア。


 その動きに合わせて2人の胸も揺れる。


 いかんいかん。気を抜くとすぐに目が吸い寄せられてしまう。気を付けねば。



「次、お願いしますー」


「ふん、僕を知らない人間なんて居ないだろ。そんな手間をかける意味が分からないね」


「そんなこと言わずにー」



 順番が来たにも関わらず立とうとしない銀髪の少年に困ったような顔をするサラ先生。



 あーやっぱりいたか、こういうの。


 魔法が使えるだけでこれだけ特別扱いをされるんだ、調子に乗ってこうなる奴がいるのはなんとなく予想がついていた。


 サラ先生も大変だなぁ。


 ま、出来るだけ関わらない方が良いだろう。面倒そうだし。



「いいか? 僕はな、あの超魔法皇(スペリオルウィザード)エルギスト・ハルメロードに最も近いと言われた男なんだぞ? そんな些事なんてやる必要はない」



 ……ほう?


 なるほどなるほど、それは凄い。


 いやぁ、尊敬しちゃうなぁ。


 まぁ、



「俺はお前のこと知らないけどな」


「何?」



 銀髪くんにギロリと睨まれる。


 おぉ、イケメンが睨むと結構迫力あるなぁ。



「貴様、平民如きがこのウィンドレア家の長男に楯突く気か?」


「いやいや、別に楯突いてなんてない。ただ知らないって言っただけだろ?」



 というか貴族か、こいつ。


 そりゃ尚更調子に乗るわ。



「くっ、貴様、名を名乗れ!」


「自己紹介、今はお前の番じゃなかったか?」


「うるさい! なら先に名乗ってやる! ケイ・ウィンドレアだ! これで満足だろう、さっさと貴様の名を名乗れ!」


「ペイル・サルバラージ」


「覚えたぞ、ペイル・サルバラージだな? 僕と決闘しろ! この僕を一生忘れられなくしてやる!」


「いいぞ、その決闘、受けてたってやる」



「ちょ、ちょっと待ってよ2人とも、喧嘩は良くないって。先生もなにか……」


「決闘ならそっちの演習場でやりましょうかー」


「え、ちょっ先生ー!?」



 火花を散らす俺たちを諌めようとするミーア。


 だが、サラ先生の許可が出てしまったことでそれも無駄になってしまう。



「謝ったってもう遅いからな!」


「謝らないから安心しろ」


 こうして俺とケイは決闘をする事になったのだった。


『俺』の名前を出すってことはさぞかし強いんだろうな、楽しみにしてるぞ?

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