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ざまぁも流行させましょう・3

長く放置気味ですみません。


エブリスタ先行ですが向こうも放置気味だったもので。


不定期更新に変わります。

 「そういえば知ってる? 今、私みたいに仕返しする事が流行っているそうよ?」


 「流行、でございますか」


 私は控えているリラに話す。リラは首を傾げた。


 「ええ。殿方だけでは無いのよ、流行は。ちなみに“ざまぁ”って言うのですって」


 「ざまぁ、でございますか?」


 「ええ。私みたいな仕返しの事を言うらしいわ。この前のお茶会で聞いて来たのよ」


 「この前のお茶会、と言いますと。確か侯爵令嬢の方達もいらっしゃったという、あの?」


 リラが顔を痙攣らせる。私を含めたメンバー全員が婚約を破棄された、という事実を思い返したのだろう。


 「その。ソフィー様が、ね? 書物で読まれたそうよ。見返してやる事を“ざまぁ”と言って、ざまぁみなさい。って言葉を省略したらしいのだけど、見返して仕返ししてやる。それが女性の流行だそうよ?」


 「つまり。お嬢様の、エミリオ様に対する態度は正しいものなのですね」


 リラは、納得だ、とでも言いたげに深く頷いた。


 「ええ。それで、私達も“ざまぁ”をしてやりましょう! って皆さんが張り切られてね。出来たら、報告会を致しましょうって」


 遠い目をしているルイーザ。同じく遠い目をするリラ。


 仕返しが出来たという報告会。


 一体どんな会なのか。リラはその場にいたいような、いたくないような微妙な気持ちに陥った。


 「それにしても。不思議でございますね」


 「何が?」


 「婚約とは家同士の契約でございますよね?」


 「そうね」


 「お嬢様とドゥール侯爵令息様とのご婚約のように、どちらか一方にしか利益をもたらさない婚約もございましょうが、大抵の場合はどちらの家にも利益が生まれるような婚約でございますよね」


 「ええ、それが?」


 「いえ。それなのに、このようにあちこちで婚約破棄が行われている事が不思議でして」


 「ああ、それね……。聞きたい?」


 「聞くのは怖いのでご遠慮申し上げます」


 「あらそう」


 「ですが。その上によくご当主様方がご納得をされますよね」


 リラの疑問に、ルイーザは目をパチパチと瞬かせた。

 ……それは、そうね。確かだわ。私は何故こんな事が流行をしているのか、疑問だったけれど。それは第三とはいえ王子が一番に婚約破棄をしたから、だったけれど。


 普通は、このような事態に陥っている事を、各家が警戒するわね。例え、王子がやらかした……いえ、王子がやらかした事だからこそ、王家も醜聞だ、と慌てるものだし、火を消そうとするはず。

 それどころか真似をするご令息が続出しても、王家は静観……つまり、何もしていない。


 こんな事は、国の貴族という制度を蔑ろにしているのと同じ……。


 もしかして、これは王家が了承している事……? いえ、後押しをしている事……?


 ああ、私が考えていても埒が明かないわ。こういう時こそ、あの方を頼るのがよろしいのよ!


 「リラ。あの方にお話がしたいわ。連絡、取れるかしら?」


 「あの方、でございますか……。お嬢様は昔からあの方に可愛がられてはおりますが。旦那様に内緒で、というのはどうにも難しく……」


 私がリラに尋ねれば、そんな返事が来た。


 「あら。なんで私がお父様に内緒で、あの方に連絡を取るの?」


 不思議だ、と首を傾げる。お父様に内緒にする理由が全く分からない。


 「……いえ、私に尋ねられたので、何かご内密に連絡を取る必要がお有りなのか、と」


 「ああ、ごめんなさい。勘違いさせたわね。違うのよ。さっきのリラの質問について、あの方なら何か裏事情をご存知かもしれない、と思ったの」


 リラに何か変な誤解をさせてしまったらしい。別にあの方に連絡を取るのに、疚しい理由なんて何もないのだけど。リラは、どんな勘違いしてしまったのかしら……。


 「ああ、成る程。左様でございましたか。確かに。では、旦那様にお話はしておきますが、急ぎでございましょうからエド様に頼んでおきましょう」


 「お願いね」


 お父様経由であの方に連絡を取るのって、時間がかかるのよね。あの方のお父様と、私のお父様が仲良しだったから、私達も必然的に仲良くなったけれど、お父様は、あの方と私が頻繁に連絡を取る事を嫌うのよね。


 だから、あの方とは時々手紙のやり取りをするくらい。今回も手紙で訊ねる事になりそうかしら。出来ればお会いして、直にお尋ねしたいのだけど。

お読み頂きましてありがとうございました。


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