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プロローグ

・男は暗い洞窟の中、必死に出口も探していた。

岩肌を引っ掻いて見るが、指から尋常じゃない痛みが走るばかりで、一向に脱出の兆しは見えない。

地質調査の途中でこの洞窟に閉じ込められてもう何日が過ぎただろうか。

畳4つ程の何もない空間、携帯はつながらない。わずかな隙間もなく、水筒の水もまもなく尽きる。


ーダメか、もう死ぬな。


生まれて初めて、恐ろしい程身近に感じる“死”のビジョン。

男が思い浮かべたのは、生まれ故郷に残した妻と子のカオだ。

陽太ひなた陽子ようこ、ゴメンな、オレの分まで、しっ......かり......生き......)

薄れ行く意識の中、男は見た。

自分の目の前に、真っ黒い渦の様なものが“居る”のを。

なぜ“居る”と思ったのかわからない。

ただ、男にはわかった。こいつから、『意思』を感じるたのだ。

恐怖や絶望や憎悪。

あらゆる『負』の感情がそこに在った。

声さえ出なくなった男は、恐怖する暇さえなく、そのまま暗い意識のそこに沈んだ。

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