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謎のウサギと不穏なステッキ

まったりと更新していく予定です。転生しません

 よくある話だ。

 新作のゲームを抱えてホクホクしていた帰宅途中、居眠り運転のトラックに跳ねられた。

 アタシは死んだ。スイーツ(笑)。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 「……と言うワケで、ボクの権限で貴女を異世界の勇者として転生させますから、安心してください。じゃ、行きますよー!」

 「待て。」



 よくある話の筈、だったんだけど、なぁ。


 あーこれヤバい、あからさまにヤバい、アタシ死んだ。と思った次の瞬間、アタシは真っ白な部屋の中に居た。


 調度品も何もない空間を見回してたら、突如目の前に変な生き物が現れて、コレだ。

 早速話を端折りやがって、と思った皆様。違うんだ。本当にこんな感じで、かつ、未確認生命体が不穏な事をぬかしながらあからさまに怪しいステッキを振り下ろそうとするのを白羽取りで止めちゃわないと、解説以前にアタシ大ピンチの予感だったんた。


 「何が、『と言うワケで』、よ! 自分死んじゃったのは、何となく、解るけど! それが何で、いきなり、勇者だのなんだのって、話に、なる、ワケ!?」

 「お、おねーさん落ち着いて! スマイル、スマイル!」


 目の前の未確認生命体――形容するなら、体長30cmばかりの羽が生えた、ピンク色の……ウサギ? だろうか――が、真っ赤な両目に焦りの色を浮かべ、笑顔らしき形に口元をひきつらせる。

 ……が。ステッキに込めた力はそのままだ。しかも結構な馬鹿力。

 お陰さまで、笑顔はおろか喋るのすらやっとだってのに。


 「状況は、よく解んない、けど! このステッキを、振らせたら、アタシ、ヤバい、気がする!」

 「そ、そんな事ないですよぉ! ステッキ振ったら夢の勇者ライフですよ! も希望も無い現実からフライアウェイ!」

 「何で人を勝手に非リア認定してくれてんのよ!? 五体満足、家庭円満、友情万歳、来月には昇進、オマケに来年6月には結婚予定まであったのよ!?」


 事故自体はあーあって感じだが、両親も弟も友人も婚約者も全部遺して死んでしまったのだけは申し訳ない。

 ついでに、今受けてたプロジェクト。引き継ぎどうなるんだろう。


 しかし。

 このウサ公、そんなアタシを取っ捕まえて、非リア呼ばわりだと!?

 思わずステッキを押し返す。ぐぬぬ、コイツやっぱ力は強い。そんなアタシの姿に、ウサギもどきは首を可愛らしく傾げて。


 「え、だって。ゲーム持ってたでしょ?」

 「そこかよ!? リア充だってゲーム位するわ!!」


 いや、オタクなのは合ってるけど。

 合ってるけどさ。逆に、現代の薄給社蓄が狭いアパートの薄い壁を気にしつつ、時間問わずライトにたしなめる趣味ってゲーム・ネット・アニメ・漫画込みの読書以外に何かあるのかと、アタシは問いたい。


 「とにかく! 死んじゃった物は仕方ないとしても、何で勇者!? 普通にもっかい今の世界に転生させてよ!!」


 ぶっちゃけ勇者なんてゲームやりゃなれる。

 リアルで痛い目見るとか勘弁して欲しいのだが。


 白羽取りから更に押し返し、ウサギの眼前へステッキを押し付け。アタシはウサギを睨み付けて、そして。







 「やれやれ仕方ないなぁ。

















 そんな夢の無い君にはやっぱり勇者としての来世がお似合い…………うぼぁっ。」




 そのまま、捻り切った。

こんな内容ですが、筆者は異世界転生ネタ大好きです。大好きなんです。

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