能力徹底解説書~種族編~
この世界にある超能力。まだまだ謎は多いが、わかってくることも多い。そんな能力を、まとめたのがこの本である。今回は種族編ということで、説明していく。これを読めば、きっとあなたの可能性も広がる。
放出系
能力者の中で一番多いとされる種族。細胞の進化により、自分の体力や気を違う物質で実体化することができる。主に放出弾と言う名の弾を発射し攻撃することが多い。しかし、レベルが上がるにつれ細かい形まで実体化することが可能になり、モノの表面に張ってバリアにすることもできる。しかし、体術系のバリア使い(後記)の強度には負ける。
放出物も色々とある。「水」「電気」「炎」「空気」と、まだまだたくさん確認されている。モノにより撃てる速さや攻撃力が違うが、やはり本来の物質と比べると違う性質が見られる。水だと、本来含まれている酸素に二酸化炭素が混じっていたりと本物とは違う。それにより物質が崩れやすい。
余談だが、放出物は宇宙の力の中ではどうなるのかという実験が過去にあった。その結果は、消滅したと記されてる。しかし、物質の分子は少しの間だけ残っていたらしい。そして蒸発した。水素ならば宇宙空間でも存在し続けるはずだが、それすら蒸発した。一つの仮説で、「宇宙は母なる場所」というものはこれにより立てられた。これが本当なら、放出物は母なる場所へ帰ったとされている。更なる研究が必要だ。
念力系
物に触ることなく動かせる能力。この能力にはあまり詳しく分けられることはない。レベルにより持ち上げれる重さが違ってくる。しかし、レベル1の差で自動車三台分あるため、甘くは見れない能力だ。しかし研究の結果、生物は長くは持てないことがわかった。詳細は不明だが、もしかすると生物にも宇宙の力はあるのではないかと推定される。生物と宇宙の関係が重要になってくる。
宇宙で能力を発揮するという実験がやはり行われていた。結果はまったく持ち上げれない。本人の話によると、「力を入れても動かず、自分の体力が減っていくだけだった」と述べている。
物理系
謎が多いこの能力。人により違う効果を発揮するため、実験が追いつかない。物体に触れて初めて能力をだす物理系。今確認されている中でも5千以上の違いがある。希少属性(後記)では、瞬間移動が使える者もいるらしい。しかし詳細はわからない。
物体に触った瞬間、細胞が発する不思議な力により、物体が共鳴して起こると考えられる。過去の記録によると、触ったものを溶かすことができる能力者がいたとある。しかし、念力系と同じように、人間は軽い火傷のようなものですんだらしい。一体人間とはなんなのだろう。
念写系
最も解析不能な能力。「見る」や「聞く」とは人間の五感の一つで、それに反応する能力らしい。中には未来予知ができる者や人の心が読める者もいるらしい。この能力は測定が不能なため、ほとんどの能力者がレベル1・2である。
最近では、未来予知は五感の聞くではなく、第六感の「勘」に入るのではという話もある。
錬金系
この能力は、念力系に似ている。人それぞれの合図により、特定の物質を分子や元素に分解し、その材料を使い別の者にするという技である。レベルにより細かいところまでを設計できるかが違う。また、冷水を熱湯に変えることも可能。分子を高速に振動させているらしい。
これにより鉛筆の芯からダイアモンドに錬金できたりもするが、本人談によるとできないらしい。そもそも錬金する時は、頭の中で分子原子の結合・分解をする。ある程度の知識がないとできないことだ。物の原理をしらないとできないこの技。金やダイアを作れない理由も聞いてみた。すると、「錬金をすると、大怪我、ひどくて死ぬんです。」と言った。不思議に思い調べてみると、過去にこんな事件があった。「金の練成失敗。錬金系の能力者重体5名。死者3名」 物から物への組み換えは、もちろん材料がひつよう。物事を得るときはそれなりの代価が必要。これが人類・商業にも関係のある「等価交換」。宝石を作るときには、これが不十分のようだ。ダイアには炭素と何か。金には金属元素と何か。何かはわかってはいないが、作る際に足りないらしい。そのまま続行すると、周りのものや自分が代価として払われるらしい。事件の死者は心臓を払われたり頭を払われたりした。便利だが、非常に危険な業である。
体術系
最も種類の多い種族。身体そのものに能力が備わる能力。一番超能力らしいといったららしいかもしれない。他の種族とは全然違う能力である。放出系と念力系とは違く、水を自由に操ったり炎を自由に操ったりできる。物理系とは別にいつでもどこでも能力が発揮できる。
能力での差も凄い。中には、念力系とは違うもので、自分の目の数を増やしたり目を他のものにくっつけたりもできる者もいる。
能力が実態化している物を取り込んで自分の力にする者もいるらしい。そして、能力を触ったり強化したり無効化する力もある者がいるのも事実らしい。この能力達は要注意が必要かもしれない。
体術系でも一番多い能力がバリア系である。時・場所を選ばずにバリアを張れる能力。レベルによって違うが、今ある能力の中で一番の強度を誇るという。
希少属性
希少属性。またの名を特殊進化細胞。能力者の中でも珍しい能力を持ち、更に独自で進化する細胞である。進化する条件(対象)は人によって異なり、「痛み」「応援」「金」「人」「料理」と様々である。しかし危険な例もある。対象が周りから一切なくなった時、細胞は危険を察知して急激な進化を始める。その時に、人間の臨界点を越え、もはや人間ではない神に近い存在になってしまう。これを臨界点突破と呼ぶ者もいる。この間は、意識が細胞に支配され、自分では制御不能となる。過去の実験例で、町一つ一瞬で破壊されたという。
宇宙の力
宇宙の引力・無重力・無の空間を支えるとされる力。まだ詳細ははっきりとしないが、この力に触れると、能力は打ち消されるという。
臨界点突破状態の時は例外である。それは人間を越えた神。この力を無視して、宇宙空間でも能力が発揮できる。推定では、以前起きた隕石落下の寸前に、なぜか隕石が戻っていった事件も、臨界点突破が関わってないかとされている。
超能力者犯罪の対策として、この力を使った武器ができないかと、研究中である。
能力徹底解説書~種族編~ 景道武蔵
北暦2750年 七 月 二十 日 初 版 発 行
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