創造Ⅰ
気がつけばやかましい鳥の声と共に目が覚めていた。
今は何時だろう。
そう思い、頭の辺りにあるであろう時計を探す。
すると、ズドンッ!!と言う音と共に体に痛みが走った。
何が起きたんだ?
その問いは目が覚めるにつれて自ずと答えがわかった。
どうやらベッドから落ちたらしい。
痛む箇所を押さえつつ、立ち上がり、カーテンを開ける。
目が眩むほどの光が部屋を覆う。
その明るさになれると、もう昼だと言うことが太陽の位置でわかった。
「眠ぃ。」
先程まで寝ていたのにも関わらず、口から不満が漏れた。
だが仕方ないと思う。
これは人間の反射だと思うから。
学者のようにカッコつけて分析の真似事をする。
「それにしても暑いな。」
季節は真夏。
仕方がないのだとは思うが、暑いものは暑い。
温度計を見ると、それは四十度を指していた。
「ハハハハ!」
おかしさで笑えてくる。
よくこんなとこで寝てたな俺。
自画自賛をして扇風機に近寄りスイッチを入れる。
すると、扇風機が音をたてて風を送り出して…、
来ない。
「マジかよ…。」
言わずともわかる扇風機の異常さに泣けてきた。
仕方ない、そう思い窓を開ける。
すると、蒸し暑いこの部屋に涼しい風が…。
「来るわけないか…。」
現実に来たのはこの部屋をさらに蒸し暑くする風のみだった。
そのとき、急に下から自分の事を呼ぶ男の声がする。
窓から顔を覗かせ外を見ると、声の主はマンションの管理人だった。
「何すか?」
手短に用件を聞く。
すると、
「手紙だよ。」
と、不機嫌そうに答えてくる。
「あざーっす!」
礼をして中に戻ると、先程の管理人がブツブツと文句をいっているのがよく聞こえた。
ったく、最近のは礼儀がなってない、とかそんな内容だ。
「あんたも態度悪いよ。」
そう小さく呟いて部屋を出た。