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【書籍化】元貧乏エルフの錬金術調薬店(web版)  作者: 滝川 海老郎
元貧乏エルフの錬金術調薬店

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30/51

30 仔猫だよ

 普通に午後の錬金術店の営業をしていた。

 うちの店は飲み物試飲サービスがあるので、なかば喫茶店のようになっていた。

 とくに最近は、一度でいいからロイヤルミルクティーを飲んでみたいという人が、ちょくちょく訪れている。


 そんな中、一匹の可愛いお客さんがやって来た。


「みぃみぃ」


 ん。猫ちゃんだ。それも仔猫。真っ白い白猫ちゃん。


「きゅぅきゅぅ」


 ポムが奥から跳んできて、仔猫をじっと見る。


「仔猫さん。お母さんは?」

「きゅぅきゅぅ、きゅ?」

「みぃ」


 ポムは首を振る。まあ首ないけど。

 そうか、お母さんとはぐれちゃったのか。


 仔猫といっても、目も開いているし、ちゃんと歩く、生後三週間以上。


 ロイヤルミルクティー用だけど、ミルクはある。


「ミルク飲む?」

「みゃー」


 お皿にミルクを入れて猫にあげる。

 クンクンと最初に首を伸ばして匂いだけ嗅いで、それからぺちゃぺちゃと飲みだした。

 猫の舌は、ブラシみたいになっていて、それで飲めるらしい。


 ポムは興味津々で、ずっと近くで見守っている。


 ミルクを飲み終わった仔猫は、ポムの伸ばした触手と遊んでいる。

 ぺちぺちと手で叩いてみたり、顔を近づけて見たりと、忙しい。


 そのうち眠くなってうとうとしていた。


 ポムに寄り添って、眠ってしまった。

 まるでポムがウォーターベッドみたいだ。


 ポムはドヤ顔でそれを受け入れてじっとしていた。


 お姉さまたちは、それを興味深そうに見ている。

 きゃあきゃあ言ったりすることもあるし、ポムも仔猫も()でていた。



 私たちは接客したりと、忙しい。

 仔猫はまだ寝ている。


 たまに起きてちょっとその辺をうろちょろするけど、戻って来てまたうとうとしている。

 それの繰り返しだった。

 ポムがずっと監視してくれているので、忙しくても、安心して放っておけた。


 結局閉店時間になったけど、仔猫ちゃんは出て行かないし、親も迎えに来なかった。


 シャロちゃんとお風呂に入って、みんな寝る。仔猫もポムと一緒に寝る。


 そうして二日目になったけど、相変わらず店内で遊びまわって昼寝をしている。


 それから二日後、ついにお母さん猫、とその飼い主の情報が回ってきた。

 白い仔猫が行方不明になっているという。かなり近所だ。

 お店の常連のお姉さまたちからの情報だった。


 仔猫を抱いて、その家に向かう。

 ポムも心配そうについてくる。


 この辺は商業区なので、おうちがそれなりに裕福なところが多い。

 うちみたいにレンタルで貧乏なのは少数派だった。


「ごめんください」

「まあまあ、こんにちは。あら、白い仔猫。マリーちゃんだわ」


 ああ、仔猫。マリーちゃんっていうんだね。うちにもいますよマリーちゃん。

 ご婦人にマリーちゃんを引き渡して、ちょっとお茶をご馳走になった。


 こうして仔猫のマリーちゃんは、おうちへ帰れましたとさ。


 それで話が終わったらいいんだけど。


 それ以来、ご近所さんなので、マリーちゃんと母親猫、それからご婦人がうちの店にちょくちょく遊びに来るようになった。

 猫は可愛いし、まあいいんだけど、ご婦人はロイヤルミルクティーがことのほか好きみたいで、よく飲みに来る。

 けっこう高いので、お代を欲しいくらいだ。でも試飲可ということになっているし、特定の人だけお金を徴収とかもできないので、ちょっと困っている。

 まあ貧乏くさい悩みではあるんだけどね。


 こうしてポムは仔猫のマリーちゃんとも仲良くなって、よくお店で遊んでいる。


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