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僕に眠る君へ  作者: 飛島葉
第二章 君の為に君を生きる
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幕間――あるノート

 部屋に戻り、岡崎らの手荒い祝福をやり過ごしているうちに、あっという間に消灯の時間になった。

 例によって僕は、タイミングを見計らってこっそりとベッドから抜け出した。

 二日前、手紙の後に、あるノートを見つけていた。

 中身は、恐らく織川が書いていたと思われる日記だ。日々の彼の思いや、自分を奮い立たせる名言のような記載が、恐らく思い浮かぶままに書かれている物だった。手紙ほどダイレクトに彼の思いを知れる訳ではなかったため、日々内容を少しずつ読んでいこうと計画していた。


――絶対に慢心するな。慢心した途端、その気の緩みから退化が始まっていく。ライバルに遅れをとるな。


 新しいページには、まずはそう書いてあった。

 確かにな。心の中で、和也の言葉に頷く。そして、その次が最後のページとなっている。僕は胸を躍らせながらページを捲った。


――●●と改めて話をした。●●がそうしたいからしているというのが答えだ。でも、僕にはやはりそうだとは思えない。改めて●●と話をしなくてはならない。


 いきなり何の内容だ? 釈然としなかった。三か所、誰かの名前が書いてあろう記載が、黒く塗りつぶされている。しかもかなり強い筆圧だ。光に透かそうが、とてもその名前が読めるようには思えなかった。

 これは一体……。


 そしてその下には、いきなり大きな字で――。


――反射的にボールペンを握り、その文を塗りつぶしていく。ふう、まだややこしい奴が残っていたか。こんな事、されたらたまらないからな。

 もう、これからこのノートを読む必要はなくなるだろう。僕が何度このノートを読み返したか。暗記できるくらい、十分頭には入っている。だからこれからは……。


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