二人目。
俺は疑心暗鬼になった大人によって一人、密室の部屋に閉じ込められてしまった。
何とか脱出を計ったものの両手足が縛られ、ほとんど身動きが取れない状態だった。
さすがに大人たちも俺を殺すことはできず、毎回兄貴が俺の飯を持ってきてくれる。
というか俺を助けてくれよ兄貴。いや、そんな事したら兄貴も犯人の仲間、って捕まっちまうか。
というかなんで俺が捕まったんだっけ。
ああ、思い出した。もう爆発しそうなみんなの疑心暗鬼に俺が爆発させたんだっけ。
「漣、君は犯人じゃないんだよね?」
「ああ、あたりまえだろ兄貴!」
「ゴメンよ。僕も出してあげたい気持ちは山々なんだけど大人たちは子供の話を聞こうとしないんだ」
「そうだよな。兄貴まで捕まっちまったら俺も食い物もってきてくれるヤツいないし飢えちまう」
俺がココで一人密室に居る。
そしてそこに兄貴がやってきた。
もしここで兄貴に危害が加われば俺のせいになるだろう。
逆に今皆が居るだろう広間にいる誰かに被害があれば俺への誤解は解ける。
だが、俺は同じプリン好きの、プリン同盟の皆に危害が加わるのは見たくなかった。
それと同時に俺にはここから出たいという感情があった。
駄目だろ。ナニを考えているんだ俺。俺は俺で俺が俺は俺で俺の俺が俺!
あーくそっ!俺も来るってきていやがる。
俺はあんな奴らとは違うと思ってたんだが……
俺も同じ人間なんだな。
「漣……」
兄貴が何かを言いかけたとき、悲鳴が上がった。
これは音理さんの声?
「兄貴、行ってきてくれ!」
「わかってる! 漣は?」
「ああ、なんとかいく!」
俺は両手足が縛られていた。それでとがあけられなかっただけでとがあいている今は普通に出ることができるのだ。
まあ普通には出れないがなんとかなら出ることができる。
───どうかね漣君。私の出したスイーツは。
ん? なんか声が聞こえたような……
俺達が居間へつくと座升さんの姿が見当たらなかった。
「おお、二人とも! ココに来るまでに誰かにあわなかったか?」
「いえ、あってません。ね? 漣」
「ああ、ココに来るまで俺達二人だけだった」
「そうか…… 事件は迷宮入りじゃな」
今この部屋に居ないのは鏡さんと座升さんだけ。
鏡さんは倉庫の中。座升さんは……?
「座升さんはどこに行ったんだ?」
「座升さんは誰かに連れてかれちゃったんだよ! どこにいっちゃったんだろう……」
連れて行かれた? 誰に。まさかこの6人以外の?
でもこの6人以外だと鏡さんか座升さんになる。それかこの屋敷に招かれていない第3者か?
まだ謎は深まるばかりだ。
~第3話 完~
ちとはしょった。
犯人はもう決まってます。
というか最終回はもうできています。
最終回までの道のりはどの程度になるかワカリマセンが、もうすぐ終わるでしょう。