手がかり。
プリン伯爵、その正体についての手がかりは無い。
子供達、つまり俺達にはおそらくアリバイがある。だから信用することができる。
その信じる力で犯人を、プリン伯爵を見つけることはできるだろうか。
できるだろうかじゃない、見つけるんだ。
それが俺達、プリン好きの使命だ。
「鏡さんは大丈夫ザマスかねえ……」
「それはわからん。じゃが、このままおとなしくしとればわしらも皆ああなってしまうんじゃ。その前に早くプリン伯爵を見つけんとな」
「そうですねえ。小田島、なにか手がかりは見つかった?」
「まだでございます。お嬢様」
小田島さんは昔、天星さんの家の執事だったらしい。
そのときの名残でまだ天星さんを慕っている。らしい。
「僕たちは離れちゃいけないよ。犯人もバラバラになったときに襲うだろうからね」
「そうだね。僕もそう思うよ」
そう、それがいい。それが今出せる一番の答えだ。
でも事態はうまくいくわけが無い。
「ちょっと、あんたたち! あんたたちの中に犯人がいるかもしれないんザマスよ! そんな人たちといっしょにいられないザマスよ! 私は部屋にもどらせてもらうザマス!」
……死亡フラグキタ──
「だめだ! それは死亡フラグだ!」
「何をいってるんザマスか? 意味がわからないザマス」
「そりゃそうだけど」
「つまり、一人になったときこそ狙われやすいってことですよねえ?」
「そ、そういうことです」
「なんであんたにそんなことわかるんザマスか!」
「そうじゃ! おまえが怪しい!」
そうなことはない。
俺は犯人じゃないんだ! なのに、誰も信じてはくれない。
こんなことで、俺が犯人扱いか、コレは、皆がもうだれも信じていないという、ことだろうか。
~短いけど 第4話 完~
短いです。