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室内プリン盗難事件。  作者: 嵐山満
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想像。

 プリンが盗難された。

 それはすでに子供達の耳にも入っていた。

「なんだって! その情報の信憑性はどれくらいだ!」

「使用人の人たちと音理さんの話を聞いただけだから詳しくは判らないけど信憑性は高いと思う」

 兄、進が答える。

「僕はプリンなんかなくても皆と居れればいいなぁ」

「そんな事いってるとあなたの出番、なくなっちゃうわよぉ?」

 天星さんはなんの話をしているのかわからない。

 わかるのは裏事情ということだけだった。

「犯人は俺達8人の中に居るかもしれないって事か」

「そうだね、僕、漣くん、茜さん、双葉さん、小田島さん、座升さん、音理さん、鏡さんの8人の中に犯人が居る可能性が高い。だってプリンが勝手になくなるわけ無いもんね」

「でもさ、それなら僕たち4人にはアリバイがあるじゃん。だから僕たち4人の仲には犯人が居ないんじゃないかな」

 そうだ。そう考えたい。

 だが……

「そうした場合はこの4人の中に犯人は居ないことになるけど、私たち4人が集まる前にすでに犯行が行われていたとしたら、どうなるかしらね」

 茜さんの言うことももっともだ。

 双葉さんの推理、いや想像は確かにうれしい。

 だがそれでも大人の中に犯人が居ることになる。それじゃあ結果的には同じ、屋敷の中に犯人が居ることになる。

 茜さんの想像はアリバイもなしの全員容疑者説。

 これはもちろん茜さん含め俺達も容疑者に含まれている。

 だがもし茜さんが犯人だった場合は自分が不利になるようなことはいわなそうだし……

 いや逆に茜さんがそう思わせるためにあえて言ったのかもしれない。

 やっぱりまだ完全に信用することはできないか。


 双葉さん犯人説はそれなりに信憑性もありそうだ。

 先ほどプリンには興味ないと言っていたからだ。

 興味ないように見せておいて実は犯人かもしれない。

 

 兄貴が犯人の可能性、それは限りなく低いだろう。

 なぜなら俺は兄貴とずっと一緒に居たからだ。

 わざわざ言うことでもないが俺はおにいちゃん大好きっ子だ。

 いや、恋愛感情じゃなくてただの家族としての感情だが。いや、そう思いたい。


「僕たちもこの部屋に居たら外の状況がまったくわからないね。一回外に出ようか」

「そうですね。僕たちも出たほうがよさそうです」

「ええ、密室の部屋にずっと居たら外の情報がまったく入ってこないわ。今この部屋の中だけ外の空間と切り離されたように」

 なんだ、怖いこというな。

「そうだな。俺達も外に行こうぜ」

 とりあえず俺も言っといた。皆言っていたから俺一人なんもいってないのは嫌だし。

 んで、もちろん俺達は部屋の外にでた。


「おお、お前達。来たのか」

「話は聞きました。どういうことですか? 詳しくお聞かせください」

 おお、兄貴! なんかかっこいいぞ。

「この屋敷のプリンが一つも見当たらんのだ」

 そこ言葉に俺達子供4人は絶句する。

「じゃあなんのために俺達はこの屋敷に来たんだよ!」

「そんなのわしに教えてくれ! 小田島さん、鏡さんはドコに?」

「鏡? そういえば見ないな」

 鏡さん? ああ、この屋敷の使用人さんの一人か。

「じゃあ鏡さんが怪しいザマス! なんとか見つけるザマス!」

 そして小田島さんは鏡さんを見つけるために走ってゆく。

「お前達、プリンはあきらめなさい。お前達には見つけられん」

「父さんがなんと言おうと、俺はプリンを見つけ出す!」

「お前には、無理だ。私たちにも見つけられなかった」

 すると小田島さんは帰ってきた。

 小田島さんは息を切らしている。走ってきたんだろうな。

「音理様、プリン庫でこのような置手紙のようなものが……」

 この手紙は何だ? そもそもプリン庫ってなんだ。


 その手紙の内容はこうだ。

『私はプリン伯爵。 

 私が隠したプリンを見つけ出さねばあなた達のプリンを食べる権利を没収する。

 タイムリミットは3日。

 3日が過ぎたらこの屋敷に居るものは皆二度とプリンは食べれなくなる。

 いや、プリンだけではない。もう二度と食べたり、飲んだり、しゃべったりできなくなる。

 永遠の眠りについてもらうだけだからそれほど怯えなくてよい。

 すでに1人見せしめを用意した。

 皆、倉庫に集まってほしい』


 という内容だった。

 最初はプリン伯爵、と陽気に始まるが後半は永遠の眠り、見せしめなど物騒な言葉が書いてある。

 ……鏡さんなのか? この、見せしめというヤツは。



~第2話 完~


どうも。

定期更新というものをやってみたいです。

この物語、なんか殺人に発展してしまいそうです。

あれ? さいしょギャグのつもりだったんだけど……

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