始まり。
プリンが盗まれた。
それ以外に言いようが無い。
今日、この屋敷に集まったのは皆プリン好きなものたちだった。
そして食後に皆でプリンを食べようと言う話になっていたのだが……
「プリンが、プリンがないぞ!!」
「なんですって!? あのプリンは本場から取り寄せた高級なプリンですのに、まさか食べられないわけないザマスよね?」
プリンがないのを最初に発見した使用人、小田島が横に首を振る。
「そんな! あのプリンのためだけに俺達はココまで来たんだぞ!」
ココというのはいまいる屋敷。
この屋敷にはプリン好きな者達が集まるようになっている。
いまこの屋敷には男5人女3人の計8人、そのなかには使用人2人も含まれている。
「安心してください。この屋敷にはまだ100個以上のプリンがあるはずです」
「そうか、ならまだ、いいか」
「いいわけないザマス! 高級プリンが食べれないんザマスよ! あなたはそれでいいんザマスか!」
「そ、そうか。高級プリンを忘れていた…… そうだな、使用人さん、その100個以上のプリンの中にその高級プリンはあるかい?」
「そうですね。おそらくあると思います」
「ではそれを人数分持ってきてもらおう」
それでその場は丸く収まる。
だがまだ事件は始まったばかりだったのだ。
「なあ、座升」
「なんでザマスか? 音理さん」
「他の人たちにはなんと話そうか」
「なんでザマスか? 数はありますし同じものがあるんザマスよ? なにを言うと言うのですか」
「いや、その話じゃない。この中にプリンを盗んだ犯人がいるかもしれないという話だ」
「……そうザマスね。全員に問いただして犯人を見つけるザマスよ」
「そう、か……」
音理は少しガッカリしたように、肩を下げている。
座升はその音理の背中を見つめ、すぐに目をそらし自室へともどっていった。
そのころリビングではプリンを待つ子供達がいた。
その子供達は大体16~18歳くらいの男女だ。
そのうちの一人、津出漣がこの物語の主人公、探偵役である。
彼らはプリンが来るのを楽しみにしていた。
「高級なプリンってどんなんだろうな」
漣が言う。するとその言葉に返答するように漣の兄、進が言った。
「昔一回食べたことがあるけどね、本当においしかったよ。そこらへんのプリンとはぜんぜん違う…… とはいってもよくは覚えてないんだけどね」
「だよなぁ、俺もまったく覚えてねえ」
「そうよね。小さい頃の事なんか忘れちゃうわよねえ」
いまの女性が天星茜さん。
すこしだけ電波懸かってる人だ。彼女が言うには転生することができるらしい。
「そうだよ、僕はそんなプリン食べたこと無いけど…… きっとおいしいよ」
この人が嵐座双葉さん。女性。
そして場面は切り替わる。
「音理様。大変です。プリン庫のプリンも一つもありませんでした」
「どういうことだ! 小田島! もっとよく探せ!」
「わかりました」
プリン騒動はもうスグ始まろうとしている。
プリン盗難事件の犯人はダレなのか、それはまだ、ダレにもわからない。
~次回予告~
子供達の耳にもプリンが盗難されたと言う話が入ってきた。
大人たちがお互いを疑い会う中、子供達はひそかに固まり、犯人を捜すことにした。
「父さんがなんと言おうと、俺はプリンを見つけ出す!」
「お前には、無理だ。私たちにも見つけられなかった」
「音理様、プリン庫にてこのような置手紙のようなものが発見されました。
~第一話 終わり~
どうも、こんばんは。
オリジナル、そしてファンタジーではない、これこそが私の美学。
これからもよろしくおねがいします。