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第8話 オリヴァーと邂逅

ギルド内でなんとなく依頼掲示板を眺めていると、目を引くものがあった。


「その依頼がどうかしたのか?報酬に興味があるようだな。」

「その依頼の報酬は『音鳴りの笛』ですね。この笛は何か特別なものなんですか?まあ、明らかに難しそうな依頼の報酬になってるくらいですから凄い笛なんでしょうけど。」

「ああ。これを使用すると、自分によって発生する音が発生しなくなる。」

「音鳴りなのに音は鳴らなくなるんですね。その依頼受けるんですか?」

「ああ。受付に言ってくる。」


オレは受付に行き、依頼の受注をお願いをする。


依頼の内容は最近近くの洞窟内の最奥に住み着いたワイバーンの群れの放逐または殲滅。

ワイバーンが住み着いたことによって、その洞窟内でできるとある植物が食い荒らされているらしく、採取できないらしい。

その植物は漢方に混ぜられることが多く、需要が高い。

そのせいで、この国の薬の軒並み価格が上がっているらしい。

ちなみに、ワイバーン一体倒すのに、いっぱしの人間族の冒険者が10人束になって挑んで、相打ちになるほどの強さだ。


オレたちは城下町を出て、洞窟へ向かう。


「ワイバーン退治ならわたしに任せてください!」


なぜか、エミルが一番意気込んでいる。


「エミルはずっと元気だな。クラウスとも戦闘して、その後夜通し移動したというのに…。」


サフィーラはエミルに呆れて言う。


「そんなこと言うならお2人もですよ。疲れた様子は全くないじゃないですか。」

「オレは5日程度なら寝なくても十分に実力を発揮できるし、疲れても超ショートスリーパーのオレは30分程度の仮眠で回復する。」

「わたしはそもそも睡眠は必要としないからな。」

「そういえば、エミル1つ聞きたいんだが。」

「なんですか?」

「オレたちと初めてあった時、サフィーラのことが気になると言っていたがどういうことだ?」

「天使族の翼のなかには生体を捉える器官が存在していることは知っていますね?」

「もちろんだ。」

「その器官にサフィーラさんは引っかからなかったのです。だから、不思議だなぁ…と思ったんです。」

「ちなみに、オレがそれを飛んでいる時は気配を完全に消していたんだが、捉えられていたのか。」

「天使族の翼の生体を捉える器官、『魔生感翼ませいかんよく』って言うんですけど、その器官は気配を感じ取るんじゃなくて、呼吸や心臓の動き、血液の流れとか、そういうのを感じる器官なんです。『魔生感翼ませいかんよく』に引っかからないのは死体くらいなので不思議なんです。」


この情報はオレレベルの強さや強力なスキルを持っている天使族と戦闘する時に役立つだろう。


洞窟に到着した。

何事もなく到着できて、安心した。


オレたちは早速洞窟のなかに入り、だんだん奥へと進んでいく。

時々、モンスターが襲ってきたが、それはリエルが処理してくれた。


洞窟の8割くらい進んだところに、倒れているエルフ族を見つけた。

そのエルフ族には倒れているにも関わらず高貴な雰囲気が出ていた。

『リーフレット』の国王のアルヴァーの娘のオリヴァーかもしれないと思い、そのエルフ族に駆け寄った。


「おい、あんた大丈夫か?」


しかし、返事はない。

見た感じ外傷もないし、呼吸もしっかりしている。

ただ単に気を失っているだけのようだ。

オレは魔力切れを起こして気を失っているのではないかと思い、オレの持つ魔力を少しだけ分け与えた。


「―――っ。ん?ここは?」

「目が覚めたか。気を失っていたぞ。」

「に、人間族の方ですか?」


オレに震えながら言う。


「そうだ。あんた魔力切れで気を失っていたぞ。一般的に魔力量が多いエルフ族が魔力切れを起こすなんて何があったんだ?」


今の言葉で、自分を助けてくれたということに気づいたのか震えが

「ええと、わたし、人間族の方々に襲われまして…。それで、相当焦ってしまったのか、わたしが使える中で最も高位の魔術を連発してしまったのです。」


なるほど。

だから、オレを見て震えていたのか。


「す、すいません。さっきは失礼な態度を取ってしまって。」


おびえながらオレを見たことを失礼だと思っているのだろうか。

そうだとしたらかなりまじめな性格だ。


「あんた、名前はオリヴァーと言わないか?」

「?ええ、そうですが。」

「そうか。あんたの父親から伝言を預かっている。森は元通りになったから早く戻ってこいとな。」

「森がもとに戻った?どうして、あなたがそのようなことを知っているのですか。そして、どうしてわたしのお父様から伝言を預かっているのですか?」

「オレが元通りにしたからだ。」

「あなたが?にわかには信じられませんが。そもそもエルフ族が住む森は普通の森ではありませんから。」

「その辺のことも解決しているし、エルフ族が住む森が『ステュクス川』の水でできていることも知っている。」

「どうやらわたしたちの森を復活させたのは嘘ではなさそうですね。そこまで知っているとは。しかし、わたしはまだ国に帰るつもりはありません。今回の事件の犯人を追い詰めるまでは。」


オリヴァーは確固たる意思を持ってそう言った。

ここでリエルが口を開いた。


「それなら、クラウスさんについていくのが良いと思いますよ。実は、先日、天使族が神霊族に襲われるっていう事件があったんです。そして、その事件があった日と『リーフレット』の森が放火された日が一致しているんですよ。だから、犯人が同じなんじゃないかって思ってるんです。」

「天使族が神霊族に襲われる!?」

「そうです。そして、クラウスさんもその事件の犯人を追い詰めることが、クラウスさん自身の目的を達成するために必要かもしれないってことでわたしたちは協力しているんです。」

「なるほど…。なら、しばらくはあなたについていこうと思います。あなたがたが嘘をついているようにも見えませんので。」

「うんうん!それがいいです!」


リエルは仲間が増えたようで嬉しそうだった。

しかし、リエルはどうも他種族に寛容過ぎではないだろうか。

常日頃から、神霊族と交友がある天使族は他種族に対する警戒心があまり高くないのだろうか?

この世界の性質上、オレは他種族のことについて知らないことが多すぎるな。

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