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第7話 ギルド長と会話

当然だが、他国へ入国するときは検閲がある。

だが、貴族の人間だとその検閲が緩くなる。

オレは検閲を行う兵に貴族証明バッジを見せる。


「『リューベック』の貴族の方ですね。これから検閲を行います。少しの間、失礼をかけますがお許しください。」


『リューベック』はオレの出身国だ。


「こちらに来た目的はなんでしょう?」

「シュナイダー家に用がある。」

「わかりました。後ろにいる天使族は?」

「彼女はただの連れだ。気にしなくて良い。」


少しの問答を終えと、入国するように言われる。


「すぐに終わりましたね。人間族は結構オープンなんですか?人間族同士は結構戦争が多いイメージがありますけど。」


リエルが言った疑問は当然のものだろう。

人間族は11種類ある種族のなかで、最も個体数が多い。

数が多いなら、必然争いごとも多くなる。


「それはオレが貴族だからだ。貴族に失礼が働けば、戦争まではいかなくとも多少の面倒ごとは呼ぶことになってしまうからな。」

「わたしというか多分人間族以外の種族全員が思ってることだと思いますけど、貴族制度って変じゃないですか?生まれで身分が決まるなんて。絶対、戦闘力と頭の良さで序列を決めたほうがわかりやすくていいと思うんですけど。」

「それはオレも思ってる。だが、オレは運良く貴族の家に拾われた。なら、その特権を使わないという手はない。」

「ん~。そうですか。」

「一応、この貴族制度で11の種族の中で、最も劣っていると言われている人間族が最も発展できたからな。」

「不思議ですね~。」


そうこう話しているうちにギルドが見えてきた。



ギルドの到着したオレは受付に行き、貴族証明バッジを見せる。

そして、このギルドの運営をしているシュナイダー・ベルトルトを呼ぶように頼んだ。


「少々お待ちください。」


オレたちは近くにあったベンチに腰掛ける。


「貴族って本当に便利ですね~。」

「そうだろう。」


ギルドの中はとてもガヤガヤしている。

だが、それだけでなく、妙な視線がこちらへと向けられる。

人間族と天使族が一緒にいるのだから当然か。


談笑をしていると、3人組の男がオレたちに近付いてくる。


「おい、お前、なんで天使族なんか連れてんだよ。」

「連れてたら問題があるのか。」

「不快なんだよ。人間以外がいるとな。」


男はリエルのほうに近付き、翼を掴もうとする。

それを察知したであろうリエルは、男を翼で叩く。

ちなみに、天使族の翼は個人差はあれど、片翼で100㎏以上ある。

そんなもので叩かれれば、ひとたまりもないだろう。


「わたしの翼に触れようとしないでください。」


それを見た残りの2人は逆上し、リエルに突っかかてくる。


「てめぇ!!」


2人はさっきと同じように翼で叩かれる。

さすがにやりすぎだと思ったオレはリエルに忠告しておくことにした。


「やりすぎだぞ。あまり騒ぎを大きくするな。」

「乙女の翼に触ろうとするのが良くないんですよ。」


まずいと思ったオレは魔術で回復させておくことにした。

ただ、『再成治癒リザレクション・ヒール』で回復させるのは勿体ないため、下位の回復魔術で止血させる程度にしておいた。


一部始終をつまらなそうに見ていたサフィーラは全く別の方向に視線を移し、言った。


「あれがクラウスの言っていたシュナイダー・ベルトルトか?」

「ん?ああ、そうだ。やっと来たか。」


ベルトルトさんはこちらに気付くと、手を振り近付いてきた。


「クラウス君。久しぶりだね。ところで、そこに倒れている3人は何だい?」

「オレの連れにセクハラしようとしたら返り討ちになったんですよ。」

「ははは。そうかい。彼らにはあとできつく言っておくよ。とりあえず、話があるんだろう?奥の部屋においで。」


オレたちはベルトルトさんに案内され、奥の部屋に向かう。


「なあ、クラウス。彼とはどういう繋がりで仲良くなったんだ?屋敷から出ることなんて少なかっただろう?」

「14の時にある獣人族といろいろあってな。その時に世話になったんだ。」


1分もしないうちに、ギルド長の部屋についた。


「君がここまで来るなんてめずらしいね。元気だったかい?」

「ええ。おかげさまで。実は、しばらくの間旅を続けるつもりでして。」

「旅?昔言っていたあの夢を叶えるためかい?」

「そうです。それで1つ頼みがあります。」

「遠慮なく言っていいよ。」

「ここから一番近くの獣人族の国『モージュ』に行きたくて。ベルトルトさんはその国の王家の人と知り合いでしたよね?オレがスムーズに入国できるように連絡して欲しいのです。」

「なるほど。そういうことだったらいいよ。彼女に会いに行くのかい?」

「そうです。」

「今から連絡いれるから、ちょっと待っててね。」


ベルトルトさんは連絡をいれるため席を外した。


「彼女っていうのはさっき話していた獣人族のことか?」

「そうだよ。オレがこの野望のために動き出す時、彼女も一緒に連れていく約束をしているんだ。」

「ふ~ん。そうか。」

「どうした?」

「いや、なにも?」


サフィーラの不可思議な反応に少し困惑していると、ベルトルトさんが戻ってきた。


「連絡とれたよ。君が入国しやすくなるように門兵には言っておいてくれるらしい。でも、行くのは明日にしてほしいだって。今は祭りの最中で他種族がいるとみんなが落ち着かなくなるだろうからだってさ。」

「わかりました。」

「宿はぼくが紹介しておくよ。もう連絡してある。いつでも使ってくれていいからね。」

「何から何までありがとうございます。それでは、オレたちは失礼します。」

「またね。力が必要になったらいつでもおいで。」


オレたちはギルド長の部屋を後にした。

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