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第6話 エルフ族との友好関係

「髪の色素を犠牲にする」

「これからはずっとおじいちゃんみたいな髪の色になってしまうな。」

「銀髪みたいでかっこいいだろ。」


サフィーラは茶化すように言ってくる。


「問題はなにを作るかだが。」


オレは屋敷にいたころに読み漁った書物のなかからの知識を引っ張り出す。

その中でオレは『ユグドラシル』のようなものを作り出すことにした。


「『ユグドラシルの枝』」


生成したものは『ユグドラシルの枝』。

しかし、葉の色が緑ではなく、黒だった。


「木そのものを作り出すには、犠牲が足りないか。まあ、枝だけでも森を復活させるには十分か」


一部始終を見ていたエルフ族たちは皆驚き、こちらを見ていた。

しかし、視線の先はすぐにオレではなく、黒色の葉を持つ『ユグドラシルの枝』に移っていた。


「それは…?姿形は『ユグドラシルの枝』そのものですが、何しろ色が違いすぎる…。明らかに呪われている雰囲気があります。」

「見ていてください。」


『ユグドラシルの枝』を植えた場所には森が作られる。

そして、この『ユグドラシル』は『ステュクス川』の水によってできている。

これなら、エルフ族の新たな住処とすることができるだろう。


オレは『犠牲サクリファイス』で生成した『ユグドラシルの枝』を地面に植えた。

すぐさま、枝は地中に広範囲で根を張っていった。

そして、1分ほど経つとみるみる木が生えていく。

あっという間に、きれいな緑色の森が出来上がっていく。


ちなみに、黒色の葉だったのに、なぜ、緑色の森ができたのかはオレにも分からない。


「ちなみに、わたしにも分からんからな。」


問いかける前に、サフィーラはオレが持った疑問に答える。


「すごい…。森が生き返った…。」

「ここに新しく国を作ってくれ。」

「あ、ありがとうございます。なんと、お礼を申し上げたらよいか。」


そして、オレにお礼を言った老人のエルフ族は思い出したかのように自己紹介をした。


「申し遅れました。わたくしはアルヴァーといいます。このエルフ族の国『リーフレット』の国王をやっております。」

「わたしはクラウス・シーベルトと言います。」


互いの自己紹介を終えると、すぐに本題に入ることにした。


「それで――」

「ええ、分かっております。あなたがなにかしらの力を使った後、髪が白色に変わっております。そこまでやって、我々の国を救ったのです。なにかしらの要求があるのでしょう?ですが、一度国が滅んでいますから、金銭の要求は飲めませんよ。」

「話が早くて助かります。とはいっても、大きな要求をするつもりはありません。」

「そうですか。」


オレは2つの要求をすることにした。


「要求は2つあります。1つは今回の出来事を他のエルフ族のコミュニティの広めること。2つ目はここを1つの拠点にさせてほしいということ。」

「オレはある目的があって、旅をしているのです。しかし、ただ放浪するだけというのは精神的に来るものがありますから、いくつか帰る場所があったほうがいいのです。」

「なるほど。そういうことでしたら構いません。」

「ありがとうございます。」


目的の達成に一歩近づくことができた。


「少し嬉しそうだな。」

「あまりのも小さすぎる一歩だが、それでも嬉しいものだな。」


やることを終えたオレは『リンデ』へ再出発しようとする。


「もう出発なさるのですか?」

「そうですが。」

「厚かましいようで申し訳なのですが、1つ頼みごとをしたく…。とはいっても手間を取らせるようなものではありませんし、面倒なら断っても構いません。」

「なんでしょうか?」

「実は、今回の森の放火の件について、私の娘でこの国の王女であるオリヴァーが調査のために外に出たのです。もし、見かけたら今回のことを伝えて戻ってくるように言ってほしいのです。わざわざ探してくれる必要はありません。もし、見かけたらで構いません。」

「わかりました。」


オレは今度こそ『リンデ』へ向かうため出発した。


国を救ってくれた人間族の男、クラウスをわたしは送り届ける。

従者の一人がわたしに話しかけてくる。


「空を飛んでいきましたね。彼は一体何者なんでしょう。本当に人間族なんでしょうか。」

「普通の人間族ではないだろうな。しかし、今はこの国を救ってくれた事に対しての感謝しかない。素性は問わんよ。」


「すごいですね~。クラウスさん。1つの国を救っちゃうなんて。」

「テンション高いな。さっきまで、あんなに疲れていたじゃないか。」

「少し翼休めたら元気が戻ってきました。」


エミルは元気いっぱいの声とテンションで言う。


「そういえば聞いてなかったですけど、一体どんなようで『リンデ』行くんですか?」

「『リンデ』のギルドはシュナイダー家という貴族の家系がやってるんだが、そことは個人的に友好があるんだ。そこに頼み事をしようと思ってな。」

「そうなんですか。あっ、天使族と神霊族の事件に協力してくれるという件、忘れないでくださいね。」

「分かっている。どのみちオレの野望を叶えるうえで、その事件に関わらないということは無理だからな。おそらく、お前はオレについてくることが事件の真相を掴む近道になると思うぞ。」


しばらく雑談をしていると、ようやく目的地まであと500mというところまできた。


空を飛んでいるところを門番に見られると面倒だと思ったオレはその地点で、歩いていくことにした。


「あれ?ここからは歩いていくんですか?」

「わたしたちはともかく、クラウスは人間族だ。空を飛んでいるところを見られると、門番から突っかかれるだろう?」

「なるほどですね~」


天使族と戦闘したり、エルフ族の森を救ったりでいろいろあったが、ようやく目的地の『リンデ』に到着することができた。


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