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第4話 天使族との戦闘

「はっ!!ふっ!!」


オレと戦っている天使族は、声を漏らしながら全力で斬りかかってくる。

オレはその斬撃すべてを最小限の動きで避ける。


「はあ…、はあ…、空中戦最強と謳われている天使族より、空中での身のこなしができているなんてどういうことですか。あなた見た感じ人間族でしょう?まあ、人間族のくせに空を飛んでますからただ者ではないのでしょうけど…。」

「そろそろ試し切りをするか。」


オレは天使族に急接近し、右横腹目掛けて斬りかかる。


「はや――」


ギリギリのところで『防障壁フィジカルシールド』という物理攻撃を防ぐ魔術を発動したが、『ズルフィカール・レプリカ』のもつスキル『魔力・生命力吸収マジックバイタル・ドレイン』で無力化される。

生命力吸収バイタル・ドレイン』は生命力を吸収するだけだが、『ズルフィカール・レプリカ』の『魔力・生命力吸収マジックバイタル・ドレイン』はその名の通り、生命力だけでなく魔力を吸収する。

この魔力は人から直接吸収することも、すでに発動した魔術から吸収することも可能だ。

つまり、『ズルフィカール・レプリカ』の刀身に魔術を触れさせることができれば、あらゆる魔術を無力化することができる。


「かはっ!」


オレはさらに2度、3度と斬りつける。

『ズルフィカール・レプリカ』の一太刀は物理的なダメージを与えるだけでなく、生命力と魔力もそぎ落としていく。


「その辺にしておけ。殺したら話が聞けなくなる。」

「わかっている。」


さっきまで、美しい翼で羽ばたいていた天使族は体はボロボロになり、瀕死の状態だ。

ついに、空を飛ぶことができなくなり、空中から落下した。

オレは地面に叩きつけられる前に抱きかかえ、地上に着地した。


その後、気を失っている天使族に『再成治癒リザレクション・ヒール』で傷を完全回復させた。

正確に言うなら、全く傷がない状態に体を作り直した。

普通の回復魔術は、傷を治すが、オレが開発した『再成治癒リザレクション・ヒール』は体の傷がない状態に作り直す。

体を作り直すため、傷が無くなるだけでなく、状態異常を消したりや失ったステータスなども元に戻すことができる。


先ほどまで、オレと闘っていた天使族の女性は体が回復し、意識を取り戻す。


「うっ…。ここは…。」

「起きたか。寝起きで悪いが聴きたいことがある。」

「少し待ってくれないか?状況が掴めていない。」

「お前がいきなりオレに斬りかかってきて、返り討ちにあった。ボロボロだったお前を事情を聴くために回復させた。状況把握はできたな?」

「あ、ああ…。」


早口で状況を説明されて呆気に取られていた。

早く隣国へ移動したいオレは早く事情を聞き出したいため早々と喋る。


「まず、名前は?それと、どこから来た?」

「わたしはリエル。見ての通り天使族だ。ちょうどこのあたりの真上にある『パレンシア』という国の出身だ。」


さっきと闘いから、オレに反抗しても何も変わらないということが分かっているのか、素直に答えた。

ちなみに、基本的に空を飛ぶことができる種族の国は上空にあることが多い。


「なぜ、オレを襲った?」

「2日前、『パレンシア』が神霊族に襲われることがあった。神霊族が天使族を襲うことなどありえない。だから、何者かが『パレンシア』を襲った神霊族を洗脳したに違いないということで調査することになっているんだ。」

「神霊族が天使族を襲うなんて信じられないな。」


神霊族と天使族は他の種族と違い、とても仲が良い。

歴史上の中で、戦争どころか小競り合いも一度もなかったといわれている。

天使族と戦争するときは神霊族とも戦争することになる。逆もしかり。

これは、この世界の国際情勢の常識の1つとなっている。


「ただ、それはオレを襲う理由にはなってないだろう?オレに疑いでもかけられているのか?」

「あ、いや、それは…。」

「それは?」

「空を飛ぶ人間族のなんて聞いたことないですし、それなら神霊族を洗脳することもできるかなって思いまして…。」


これを聞いて、オレは少し呆れてしまった。

そう、つまり、この天使族リエルはポンコツなのである。


「早まりすぎだろ。何も聴かずに襲い掛かるなんて。」

「す、すみません…。」


神霊族が天使族を襲うというおそらく世界中で後世にずっと語られるような事件が起きている。

なにか大きなことが動こうとしている。

いや、もう動き始めている。

そして、これはオレの目的の障害となる可能性もある。

リエルにはついてきてもらって調査をしやすくするのはアリだな。


「この天使族をつれていくのか?」

「えっ!?」


オレの考えを理解しているサフィーラが聴いてくる。


「そのほうが良さそうだ。」

「わたしを連れていくってどういうことですか!?」

「神霊族が天使族を襲ったっていう事件。それに少し興味がある。」

「興味?」

「ああ。それにその事件の黒幕がオレの目的の障害になる可能性がある。」

「そう…ですか?」


リエルはなにも理解していない様子で言った。


「悪いが少しついてきてもらう。リエルが追っている神霊族が天使族を襲った事件についても協力する。」

「まあ、それなら…。」

「オレたちは『リンデ』に行くところだ。空を飛んでいく。行くぞ。」

「わ、わかりました!」


神霊族はかなり状態異常に強い種族だ。

その神霊族に集団で洗脳をかけるなんてどんなやつだ?

そもそも、この事件は何者かによる洗脳によって起きたものなのか?

一体、この世界で何が起きているのだろう。

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