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《白鶴》の制服

  門まで、出迎えてくれた〈アコ〉と、手を繋いで部屋に向かう。


 〈アコ〉は、もう他人に見られても気にしていない。

 すれ違う人と、にこやかに、挨拶を交わしている。

 今日は〈アコ〉の母親が、お茶会に呼ばれていて留守なのも、開放的な気分にさせているようだ。


  「〈タロ〉様、制服はどうなりました」


 部屋に入るなり、〈アコ〉は、制服のことを聞いてきたけど、僕の表情で大方(おおかた)察している感じだ。


 「大丈夫。心配しないで、ちゃんと出来たよ」


 「そうですか。良かったです。間に合わなかったら、どうしようと思っていましたわ」


 「〈アコ〉のせいじゃ無いさ。逆に、教えて貰って助かったよ。これからも、僕の()らないところを(おぎな)ってくれよ」


 「そう言って下さると、とても嬉しいですわ。私こそ、〈タロ〉様に助けて頂いています。何時(いつ)でも、私を頼って下さいね。何でもしますから」


 「じゃ早速だけど、〈アコ〉の制服姿を、見せてくれないか」


 「私のを、見たいのですか」


 「そうだよ。見るのを、楽しみに来たんだよ」


 「そう期待されると、何だか、急に恥ずかしくなってきましたわ。 がっかりされても、出来るだけ、お顔には出さないでください。お願いしますね」


 〈アコ〉は、奥の寝室で、着替えるようだ。

 何か手伝おうかと言ったら、今は、必要ありませんと言われた。

 それは、そうだよな。ワンチャンあるかと、思ってしまったんだよ。


「〈タロ〉様、お待たせしました」


〈アコ〉は、僕と目を合わそうとはせず、落ち着かないようすだ。

 頬も、少し桃色に上気(じょうき)している。


 《白鶴》の制服は、純白のワンピースのドレスになっている。


 普通の白色ではなく、艶がある白だ。

 制服だから、絹では無いと思うが、特別な糸を使っているらしい。


 袖と裾には、赤いラインが|(ほどこ)され、(えり)も赤くて大きいセーラータイプのものだ。


 袖は長袖で、先が(わず)かにベルのように膨らんで、エレガントな印象を与えている。

 スカートは、ほぼストレートでサイドに短いスリットが入り、長さはふくらはぎ近くまである。


 《白鶴》の制服も、エッチな要素は何もない。


 「うわ、〈アコ〉、とても綺麗だ。制服が、良く似合っているぞ。〈アコ〉の制服姿は、国中で一番だな」


 頬がもっと濃い桃色になった〈アコ〉は、


 「んん、褒め過ぎです。私はそれ(ほど)、綺麗ではありませんわ。〈タロ〉様、そんなに見詰めないでください」


 と両手を身体の前で交差させて、自分を隠そうとしている。


 「何言ってるんだ。褒め足りないくらいだよ。〈アコ〉は、国で一番の美人だよ。 僕が、嘘つきだと言うのかい」


 「まぁ、私が〈タロ〉様を、嘘付呼ばわり出来ないのを分かっていて。狡い言い方ですわ」


 〈アコ〉は、仕方が無い人って感じで、やっと笑顔になった。

  でも、両手を胸の前で交差させているのは、そのままだ。


 「〈アコ〉、両手が邪魔で良く見えないから、手を退()けて欲しいな」


 「えぇー、ちょっとここは、見せられません。遠慮しておきますわ」


 「遠慮って、なんだよ。隠さずに、全部見せてよ」


 僕は、メロンおっぱいが隠されているのが、とても気に入らない。

 〈アコ〉は、僕の許嫁だ。

 服を着ているのに、見せないなんて、ありえないだろう。

 だから、少し強硬な手段を、とることにした。


 「ちょっと、〈タロ〉様。なんですか。こちらに、こないでください」


 僕は、〈アコ〉の両手首を握って、胸の前から両手とも()がしてやった。

 強引だとは思うけど、僕の見たいという欲望は、止められないんだ。


 〈アコ〉は、少し力を入れて抵抗したけど、僕は気にせず強引に手を引っ張り上げた。

 〈アコ〉は、手を上に持ち上げられたまま、一切抵抗せずに、大人しく胸を見せている。

 

 〈アコ〉の顔は真っ赤に染まり、目を背けて、僕の顔を見られないようだ。

 恥ずかしいのだろう。

 でも、抵抗せずに大人しいのは、見て欲しい気持ちもあるのかな。 


 それにしても、偉大なメロンおっぱいだ。

 清楚(せいそ)な白い制服を、パンパンに膨らませて、その存在を僕に見せつけている。

 雪の小山が、二つ並んで、スノボが出来る高さがあるぞ。

 おまけに、柔らかそうにフニュって揺れて、淡雪(あわゆき)みたいに溶けてしまいそうだ。


 本来は清楚な制服が、一部が突出してことで、大きくバランスを崩している。

 本来の趣旨(しゅし)逸脱(いつだつ)して、逆に濃艶(のうえん)なものと、なってしまっているぞ。


 「〈アコ〉、どうして隠すんだ。こんなに似合っているのに、勿体(もったい)無いじゃないか。恥ずかしがる必要はないよ」

 

 「うぅぅ、〈タロ〉様、見ないで下さい。王宮に来て安心したのか、最近、急に太ってしまったのですわ。制服も直さないと、着られなかったのです」


 〈アコ〉は、まだ顔を横に背けて、ちょっぴり涙ぐんでいるようだ。


 太ったことが、恥ずかしかったのか。

 セクシー過ぎて、恥ずかしいのかと勘違(かんちが)いしたよ。

 男女で思うことは、全然、違うんだな。

 男は、エッチなことしか考えていないし、女の人は、体形を気にし過ぎだ。


 それにしても、制服がパンパンになっているぞ。

 メロンおっぱいが、大きな進化を()げてしまっている。

 これはアレだな。新メロンおっぱいと、呼ぼうじゃないか。


 「そうかな。そんなに、太ったようには見えないぞ。〈アコ〉の魅力が、増しているようにしか見えないな」


 「本当ですか」


 〈アコ〉は、僕の方に顔を向けて、真剣な目で聞いてくる。


 「本当だよ。嘘じゃない」


 「本当に。本当ですか」


 「ちょっと、しつこいぞ。そら、(たい)して太ってないよ」


 僕は、〈アコ〉のお腹を試しに、軽く摘まんでみた。

 脂肪の厚さは、それ程でも無いようだ。


 「あっ、今、摘まみましたね。乙女のお腹を摘まむなんて、酷いです。信じられません」


 〈アコ〉は、顔を()れたトマトの様にして、僕を非難する目で(にら)んでいる。

 相当、怒っているようだ。

 摘まんだのは、胸じゃなくて、腹なんだから、そんなに怒るなよ。


 「ごめん。謝るよ。そんなに、気にしてたとは思わなかったんだよ」


 「うぅ、気にします。〈タロ〉様には、どうしても、隠しておきたかったのです」 

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