ダイレクトアタッーク
安全を考えてしなかったので、〈クルス〉は僕をベッドに座らせて一回発散してくれた。
〈クルス〉が発散だけに集中した結果、腰が蕩けるような快感に襲われて、僕は声を抑えられなかった。
「うぅ」「おぉ」「あぁ」と唸っていたと思う。
「うふふ、旦那様もあんな声を上げるのですね。これから、もっと聞かせて貰いますね」
〈クルス〉は苦いのに味をしめて、もっと宣言をしてきたぞ。
自分だけ嬌声をあげるのが、不満だったみたいだ。
僕がお腹をずっとさすっているので、〈クルス〉は「くすぐったいです」と身を捩っていたが、僕とほぼ同時に眠りへ落ちたようだ。
たぶんだけどな。
次の朝、気になっていたから〈クルス〉のお産の前後は、学園をどうするのか聞いてみた。
「あぁ。それは。女子修道院の方に頼みます。〈サトミ〉ちゃんの穴は、既に女子修道院の方に埋めて頂いているのですよ。旦那様はご存じなかったのですか」
〈サトミ〉の穴は、大きく開いてまだ埋めてないんだけどな。
「えっ、そうなの」
「えぇ、そのお礼に、〈アコ〉ちゃんが、かなりの額を寄付してくれたはずです」
「ほぉ、修道院は給料じゃなくて、寄付金なんだな」
僕はどうでも良いことに感心しているけど、大切なことを何にも知らなかったんだ。
学園のことも、伯爵家の内部のことも、嫁達に任せきりだったな。
煩わしいことがなくて良いから、これかもそうして貰うか。
嫁達が優秀だと楽で良いや。
〈アコ〉の後宮へ帰る日となった。
僕は張り切っていたけど、〈アコ〉の顔は少し暗いように見える。
「〈アコ〉、少し元気がないな」
「そうなんです。私は自分自身が嫌になったのです」
「えぇ、どうしてなんだ」
「ふぅ、〈あなた〉の赤ちゃんを、産める身体を持っていないからですわ」
「そんなこと気にしなくて良いし、〈アコ〉はまだ若いだろう。諦めるのは、まだ早いんじゃないかな。四十歳までは後二十年近くあるよ」
「でも、私が一番〈あなた〉に抱かれているのですよ。それに、四十になっても私は普通に抱かれるのですね」
あれ、四十歳ではもうエッチはしないのか。
こちらの世界では、衛生や栄養状態で寿命が短いので、エッチ寿命も早いのかも知れないな。
「そうだけど、もっと何倍も抱けば確率は上がるよ」
「ふぅ、それはそうですけど。期待を持たずに抱かれてみますわ。二人はお産でアレですので、〈あなた〉の肉欲は、私が受け止めなくてはなりません。これも正妻の務めなのでしょう」
〈アコ〉は僕との会話で、顔から暗さがなくなった。
僕が〈アコ〉を何倍も抱けば良いと言うのが、クリティカルヒットだったのだろう。
でも〈肉欲〉って酷いんじゃないかな。
僕をそれだけしか考えていないような男だと言うのか。
「〈アコ〉、〈肉欲〉は言い過ぎだぞ」
「あら、それでしたら、ここがこうなっている説明をしてくださいな。ふふふ、私のお肉を見て、こうなったのでしょう」
〈アコ〉が僕の股間を触りながら、わざとおっぱいを揺らしながら、自虐ネタをかましてきたぞ。
でも、ここで決して笑っちゃいけないんだ。
「はははっ、〈アコ〉は確かに肉肉しいな」って大爆笑なんてしたら、もう抱かせて貰えないぞ。
ここは、グッと笑いを我慢のドスケベ魂だ。
「違うよ。〈アコ〉の妖艶な身体を見てこうなったんだ」
本当はたぶん、〈サトミ〉と〈クルス〉と連続して出来なかったので、とても溜まっているからだろう。
「ふぅん、褒めても何も変わりませんわ」
言葉とは裏腹に、〈アコ〉は少し顔を赤くしているぞ。
お風呂で洗いっこをすると、〈アコ〉は僕の角度に少し驚いていた様子だ。
押さえつけようとするたびに、ビタンビタンと返るので、何回も繰り返していたよ。
おずおずと怖そうに触っていた新婚当時の面影は、とうの昔に湯気と混じり消え去ってしまったな。
僕はおもちゃかと言いたかったけど、おもちゃは何時間でも動くから、僕では勝てないと思うので黙っていたんだ。
〈アコ〉はシースルーのネグリジェに、下着は王都のお土産を履いて寝室へ入ってきた。
〈リク〉が〈カリナ〉へ選んだブツと、同様の形状のものだ。
シースルーのネグリジェを着せたまま、ショーツの形状を生かして、そのままダイレクトアタッークだ。
スポポーンじゃないぜ、着衣でだ。
僕のダイレクトアタッークは、深い守りにレシーブされて、ラリーは少ししか続かなかった。
もっとラリーがしたかったのだろう、〈アコ〉が恥ずかしそうに「胸を吸ってください」って言うから、ビクンとなってそのまま再戦が可能になったぞ。
これが俗に言う、抜かずの二発なのか。
僕はやったぞ。
感動の瞬間だ。
ゴー、ファイト。
単に溜まっていたのと、不満足の妻に、ちょろっと操作されただけじゃないはずだ。
ドスケベ魂が進化をおこして、超ド級ドスケベ魂になったのだと思われる。
その証拠に、〈アコ〉は僕のダイレクトアタッークで、深い守りをぐちゃぐちゃにかき回されて、甘いセクシーボイスを垂れ流していたぞ。
はははっ、〈グルグル〉に言ってやりたい。僕はお前を超えたぞと。
抜かずの三発が出来たわけじゃないから、これはあくまでも高揚した今の気分であります。




