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異世界転生したら許嫁がいたんだ(エッチなことでも怒らないんだ)  作者: 品画 十帆
第11章 【前払いなんて、あんまりだ】
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入り江にある漁師小屋

 僕と〈クルス〉は、《ラング領》へ〈深遠の面影号〉で向かっている。

 同船者には、〈リク〉と〈サヤ〉がいて、〈ソラィウ〉も一緒だ。


 〈サヤ〉は親族になったから、〈アコ〉との結婚式に出席したいらしい。

 それはそうなんだが、同じ船で帰らなくても良いのではと思う。


 恐れていたとおり、〈サヤ〉が鍛錬をしたいと言い出して、それに〈リク〉も激しく同調したから、《ラング領》へ着くまで鍛錬をする羽目になってしまった。

 〈ソラィウ〉は、まだりていないのか。


 「運動をするのは、健康のためにも良いことですね」


 と言ってやがったよ。


 だけど一日目で、直ぐに後悔したようで「こんなの健康に悪いです」と、泣き言を叫んでいた。

 僕が、頭をもぐほど激しくうなすいていたのは、悲しい光景だったな。


 いつもの航海なら、許嫁達と一緒にシャワーを浴びるのだが、今回〈クルス〉は一緒に浴びてはくれなかった。

 二人切りだから、背後に回られて襲われると思ったのだろう。

 実質妻のことだけはある。

 良く分かってらっしゃる。


 シャワー室は滑りやすいから、後ろからがベストなんだよ。


 そう言うことで、〈リク〉と〈ソラィウ〉と浴びることになってしまった。

 誰も得をしないと思うが、水の節約のためだ、しょうがない。


 だけどあそこの大きさが、僕とあまり変わらないことが分かって、少し得をした気分だ。

 〈ソラィウ〉が少し大きいのが、かなり腹立たしいけどな。


 〈クルス〉は後悔中、教育関係の本を読みまくっていて、僕の相手はしてくれなかった。

 僕も鍛錬で疲れていたので、イチャイチャはまるで出来なかった。

 今回は何も楽しくない航海だったな。


 入り江に着くと、大勢の人が出迎えてくれている。

 〈アコ〉と〈サトミ〉も、大きく手を振っているぞ。


 桟橋を降りると、〈クルス〉に〈アコ〉と〈サトミ〉が抱き着いてきて、帰着をとても喜んでいる。

 おいおい、僕には抱き着かないのか。

 ちょとおかしくないか。


 「あはぁ、〈タロ〉様、お帰りなさい」


 〈サトミ〉が、ニコニコ笑って出迎えてくれた。


 「ふふ、お元気そうで良かったですわ」


 〈アコ〉も嬉しそうだ。

 だけど〈クルス〉に、抱き着いたまま言っているぞ。


 「ただいま。二人とも元気で良かったよ」


 少し寂しいけど、僕はこう言うしかないよな。


 許嫁達と再会を喜んでいると、横からにゅーうっと女の人が割り込んできた。

 おっ、この女の人は《入り江の姉御》の母狐じゃないか。

 今は白粉おしろいを、顔と手に塗り込んでいないので、年相応のお婆さんに見えるな。


 「ご領主様、お帰り。ヒィヒィ、良いもんがあるんだ。ちょっと見てお行きよ」


 僕は腕をとられて、そのまま、入り江にある漁師小屋へかどわかされてしまった。

 荒波を相手にしている、漁師の腕力はすごいものがあるな。


 でも、僕は青年で相手はお婆さんだぞ。

 人智を超えた力だから、あらがえなかったんだと思う。


 「これを見てみなよ。ツヤツヤで玉がそろっているだろう」


 《入り江の姉御》の母親が、実は男で、股間を見せられた訳じゃないぞ。

 見せられたのは、大粒の真珠のネックレスだ。

 一連で首につける短いタイプで、同じ色のイヤリングも一緒にあった。


 真珠か。

 エレガントで、つつましい中にりんとした存在感がある、宝石の女王と呼ばれているらしい。


 これを許嫁達が首にかければ、おっぱいが倍いやらしくなるぞ。

 肉肉しい真珠探し遊びを、することが出来るぞ。

 冠婚葬祭を含め、他の用途にも使えるから、ぜひとも欲しいな。


 「これを僕にくれるのか」


 「はぁ、何をほうけてなさる。漁師は慈善事業じゃないよ。お銭をたんまり頂きたいのさ」


 これだけの真珠を集めようとすれば、膨大な数の貝を採取する必要がある。

 その労力に見合う対価を、たんまり寄こせと言うことか。

 そりゃそうだよな。


 でも一組だけじゃ買えないな。


 「でも僕には、許嫁が三人いるんだよ。一人だけ依怙贔屓えこひいきは出来ないんだ」


 「けぇけぇっ、心配しなさんな。色は違うけぇ、後二人分の玉もちゃんとあるさ」


 「えっ、そうなの」


 「ほれ、黒玉と黄玉だ。まだ糸を通してないけぇど、玉数はあるさ」


 《入り江の姉御》の母親が見せてくれたのは、黒真珠と金色の真珠だ。

 言っているように、ネックレスとイヤリングを作れる数があると思う。


 「でもお高いんじゃないのか」


 「ケチケチしなさんな。正妻さんに聞いたら、ガバガバ儲かっているらしいじゃねえか、旦那様よ」


 かぁー、僕が拉致らちされても、〈アコ〉と〈サトミ〉が騒がなかったのは、この妖狐とグルだったのか。


 帰って来たばかりで、〈南国茶店〉の数か月分の儲けが吹っ飛んだよ。

 これからある結婚式が、とても心配になってくる。


 「ご領主様、毎度あり。また店へ飲みに来てくださいよ。くうぇくうぇっ」


 ものすごく機嫌の良い鳴き声に送られて、僕は少し疲れて漁師小屋を出て行く。

 あんた達の店には、決して飲みに行かないぞ。

 わなめられて、ケツの穴の毛までむしられるだろう。


 玉の周りもツヤツヤにされそうだよ。


 僕はきつく言ってやろうと〈アコ〉を睨みつけたが、胸の前で手を組むゴメンなさいのポーズ見て、怒れなくなってしまう。

 組んだ腕でグニュっと挟み、おっぱいを強力に見せてきたんだよ。


 強化されたおっぱいの谷間は、華厳の滝の滝壺に匹敵するだろう。

 けっこうな深さがあると思う。

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