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第1章 建国編 6話

第6話 初めての狩猟

翌朝

クラフトしたベッドの寝心地が良くてつい寝すぎたみたいだ。

寝起きにコップ1杯の水を飲み、

煙草に火を付けた。


『さて、肉を取りにいくか!』


ゲームのようなこの世界のせいか不思議と怖くない。

これから生物の命を奪うということにも抵抗はない。

これは元々の俺の境遇から来ているのかもな…

昨日作成しておいた武器を手に洞窟を出た。


『“気配感知”起動』


これは闇魔法中級で作った索敵魔法だ。

シンプルに気配感知と名付けた。

初級の探知魔法だとやんわりといろいろな物が探知されるため

イヴに解析を頼まないと何が何やらわからないが、

この気配感知は生物のみを探知するので精度も上がり今の俺でも把握できる。

名付けた事で、

より鮮明により広範囲に索敵出来るようになった。


『近いな…』


『左前方に500メートルってとこか、数は2頭』


『よし、こいつらで決まりだ』


俺はデスウルフがいる地点まで感づかれないように慎重に進んだ。

そして背後から目視できる位置まで近づいた。

イヴに前日教えてもらった通り、

灰色の体毛に赤い目をした狼のような魔獣だった。

体長は2メートル以上もありそうでとても大きく感じた。


『こっちにはまだ気付いてないな…』


闇魔法で気配遮断をかけてはいるがほんとに効いているのか確かめようがない。

2頭のデスウルフは休息をとっているのか、

木陰から動こうとしない。

殺るなら今しかない…俺はその場で昨日作った水魔法を使った。


『“水牢”!!』


唱えると2頭のうちの1頭を大きい水の塊が包み込んだ。

俺が作成したこの魔法は地味だが殺傷能力は高い。

そう、溺死をさせるのだ。

呼吸器官だけ塞いでしまえば生物は窒息死する。

ただ部分的に覆うだけでは暴れられた時こちらが傷を負う可能性もある。

そこでこの水牢だ

水の大きな塊で包み込んで少し浮かせてやるだけで確殺できる。

ましてや弱点属性の水だ、

ものの2.3分で絶命するだろう。


『ちっ!1匹逃したか…』


2頭共まとめて殺すつもりだったが勘が良いのか1頭は水牢にかかる前に抜け出した。

すぐさま切り替えてもう1頭を視界に捉える。

先ほどとは様子が変わり、

目が血走っていて毛は逆立って唸っている。


『そう怒んなよ、お前ら食わなきゃ俺も死んじまうんだ』


『弱肉強食ってやつだよ、“水弾”!!』


近接に持ち込まれないように、

水弾…水を弾丸のように飛ばす魔法で距離を取らせる。

予想通りデスウルフは水を嫌がり距離を取った。

そして下がったところにタイミングを合わせて


『かかったな…“ホール”!!』


そのまんまの意味の穴を土魔法で作り落とした。

単純だが確実かつ安全に動きを止め、

そしてそのまま土魔法で蓋をした。


『ふぅー…やればできんじゃん俺…』


ものの3分にも満たない攻防。

だが命のやり取りによりどっと疲れた。

一息ついているとイヴから恒例のメッセージ


【水牢によりデスウルフの絶命を確認】

【魔法討伐により英知のギフトの経験値を200獲得】

【水牢 ホール使用によりMPを40使用 英知のギフトの経験値を80獲得】

【最高神の祝福により獲得経験値を10倍 経験値を2800獲得】

【必要経験値の取得を確認】

【コハク・イチノセのレベルが5に上がりました】

【レベルアップにより全てのステータスが上昇】

【全てのステータスを回復しました】


『一気に2レベル上がったのか』


『魔獣を倒すのは経験値効率がよさそうだな』


だがやはり武勇のギフトを育てるには物理攻撃をしないと駄目みたいだ。

ただ予想は出来ていた。

だから2頭目のデスウルフはまだ殺さず弱らせてある。


『土魔法解除』


落とし穴の蓋を解除し中を確認する。

酸素不足と落とされた衝撃で瀕死状態だった。


『ごめんな…今楽にしてやる』


『武勇のギフト発動 投擲』


武勇のギフトを使用して昨日作った槍をデスウルフの喉元目掛けて投げ込んだ。


【投擲によりデスウルフの絶命を確認】

【物理討伐により武勇のギフトの経験値を200獲得】

【投擲使用により武勇のギフトの経験値を50獲得】

【最高神の祝福により獲得経験値を10倍 経験値を2500獲得】

【必要経験値の取得を確認】

【コハク・イチノセのレベルが6に上がりました】

【レベルアップにより全てのステータスが上昇】

【全てのステータスを回復しました】


『今の戦闘だけで3レベルもアップとかうますぎんだろ…』


『とりあえず確認だな、ステータスオープン』


名 コハク・イチノセ

ステータス Lv:6 Lv:7まで残りEXP100

・HP1800・ATK600・AGI500

・MP2200・DEF600・LUK350

称号

・最高神の信徒

・最高神の祝福

・最高神の権能

ギフト

・英知のギフトD級 

全属性魔法 初級・中級

進化までの必要EXP 26600

・武勇のギフトE級 

全物理攻撃補正 初級

進化までの必要EXP 2500

・クラフトのギフトD級 

クラフト能力 初級・中級

進化までの必要EXP 1500


『めっちゃ上がってるな、にしても…』


やはりレアギフトって事なのだろうか。

クラフトの経験値は3倍ぐらいだが、英知はおそらく6倍

昨日魔法開発で獲得したのと今の戦闘のを計算するとそうなる。

さらに進化させないとわからないが次も6倍ならかなりきついな…


『前途多難だな…まぁとにかく今は初戦闘を勝利したことを喜ぼう…』


俺はその場で大の字に横になり、深く深呼吸をした。



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