第1章 建国編 3話
第3話 死の土地
それから俺はイヴに教えてもらった西へ5㎞の所にある
拠点となる可能性がある洞窟へと向かった。
道中特に何もなく、ただひたすらに洞窟を目指し歩いた。
『しかし本当に何もない所なんだな』
『そもそも死の土地って名前なのはなんでなんだ?』
話し相手…とはいかないがイヴに問いかけるように喋ると
無機質ではあるがちゃんと回答をくれる。
【死の土地についての情報を検索…完了しました】
【情報を開示しますか?】
『イエス』
【死の土地とはミゼルにおいて生きていくには過酷な環境であるとされています】
【面積はおよそ85000㎢場所により気温 天候 環境全て異なります】
『あー…待ってくれ』
『俺頭良くないんだよ、85000㎢って分かりやすく言うとどれぐらいなんだ?』
【マスターからの要求を確認…了解しました】
【マスターの知識をインプットします…完了しました】
【マスターに理解しやすくするとこの土地の広さは】
【日本の北海道より少し大きい土地です】
イヴの答えにたまらず足が止まった。
『え…そんな広いの…』
【いえ 他の14ある国の中では最小です】
【情報の開示を続けます】
【気温や環境の変化があまりに激しく作物もうまく育たない】
【この土地に生きている生物は全てこの環境に適応している為非常に強く 危険】
【以上のことから生きていくのが困難な場所であるとされています】
『なるほどなーそんな場所で国を作るとか無理ゲー感半端ないのだが…』
『まぁなんにせよまずは安全な拠点作りだな』
『ありがとうイヴ、助かったよ』
この土地の広さに驚いたがとりあえず拠点作りを優先するべく洞窟へと急いだ。
もうすぐ教えてもらった洞窟が見えてくるかと思っていた時、またも足が止まる。
理解できないことが起こったのだ。
さっきまでは砂漠のような日差しがとても強い場所だったが
いきなり森が現れ気温もガクッと下がった。
『イヴこれはいったい…』
【先程の情報を元に答えを模索…完了しました】
【先程も答えたように死の土地では環境の変化が激しいようです】
【視界に見えていなかったのはこの土地に強い魔力が溢れている為と推測します】
『強い魔力?』
【はい 土地ごとに強い異なる魔力が溢れています】
【その為土地ごとの魔力がぶつかる場所には魔力による壁が発生しています】
【魔力壁による目の錯覚が起こり本来目視出来るものができなくなっているようです】
いまいち理解できないが
その魔力壁のおかげでこんな神隠しにあったようなことになってるんだな。
『わかった。ありがとうイヴ』
『洞窟は少し先にみえているあれがそうか?』
【はい あそこが周囲で1番安全な場所です】
【ここは土地と土地の境目です】
【魔獣も基本的にお互いの縄張りには近づきません】
【魔獣との遭遇率は3%以下です】
『わかったよ、ありがとう。』
もう1度安全か周囲を確認してから俺は洞窟に足を踏み入れた。
中は予想より広く、
壁に埋まっている光る石のおかげか内部の様子がわかるぐらいには明るかった。
『思ってたより広いな…』
『さて、何から始めようか』
『まずは寝床からだよな』
かと言って洞窟の中だ。
ベッドや布団、エアコンなんてもちろん無い。
火は魔法で何とかなるから暖はとれるが…
【クラフトのギフトを使用する事を推奨します】
俺が悩んでいるのが伝わったのか呼ばずにイヴからのメッセージが表示された。
そうだった。
色々ありすぎて忘れていたが俺には3つのギフトがある。
『イヴ、クラフトのギフトの詳細を教えてくれ』
【了解しました】
【クラフトのギフト 物作りに特化したギフト】
【作れる物はギフトの成長によって変わる】
【材料などは必要とせずMPを消費して作成します】
【初級で作成可能な物 日用品】
【EXPはクラフトするごとに獲得出来ます】
【調味料 飲料 嗜好品等は進化度合いにより作成可能】
【生き物等生命に関わる物は進化度合い限らず作成不可】
『ありがとう、やっぱり便利だな…』
『なんでこのギフトが炎のギフトとかより進化に必要な経験値が少なかったのだろう…』
『予想でギフトの必要経験値の大きさでレアギフトかどうかの線引きがされていると思ってた』
『英知のギフトや武勇のギフトはわかりやすいチートだ』
『マジックポイントで材料が要らないこのギフトもチートでしかないと思うが…』
【それはマスターのMPが多いからだと推測します】
【マスターのステータスは常人の10倍】
【一般の者からするとこのギフトは使い勝手が悪いとされています】
【その為進化までの必要EXPを低く設定されています】
なるほどな…
初期ステータス10倍だからこそのチートか
アデム様ありがとう…
『ありがとうイヴ、じゃあさっそく作っていくか!』
心の中で神様にお礼を伝え、俺は拠点作りを始めた。