表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/17

序曲

ただ、歩いていた。

バイト帰りにコンビニに寄って帰ろうとしていた。

耳にはイヤホンを付けて、流行りの音楽を聴いていた。


―信号は青だった。

――確かに青だったはずだった。


背中に衝撃を受け、激しい痛みを感じたと共に視界が崩れた

一瞬体が浮いたと思ったらすぐにアスファルトに叩きつけられ、

その勢いのままに転がり吹き飛んだ。


体が動かない

頭から首元に生ぬるい感覚がある

周りからは雑音が聞こえる

いや、正確には雑音として聞こえてくる。

おそらく耳がおかしくなっているようだ

徐々に自分の状態が理解できてくる。

視界が真っ赤なことから頭部からの大量な出血、

体に力が入らず動けないことから数か所の骨折

そしてうまく呼吸出来ないことからの肺の異常。


(……んだよ、これ)


不思議ともう痛みは感じなくなっていた。

あぁもう死ぬんだな

俺は自分の体温が下がっていくのを感じ、

静かに目を閉じた。


(母さん…アヤカ…最後に会いたかったな…)


俺はそのままこの世界での生を終えた。





『……い………おい!』


誰かに呼びかけられている


うるさいな…まだ眠いんだよ


深い眠りだったのか体が重く、動きたくなれない

そのままもう一度眠りにつこうとした時

先ほど聞こえた声が更に大きな声で呼びかけてきた。


『ぅおーい!!起きんかー-い!!』


その声で半覚醒だった意識がしっかりとしてきた。

ゆっくりと目を開くと視界には、

某有名魔法使いの学校の校長のような長い白色の髭を蓄えた

老人の姿が映った。


『うわっ!』


目が覚めると共に記憶にない人物の登場に驚き、体が跳ねた。


『やっと目を覚ましおったか』


老人が髭をさすりながら話しかけてくる

その老人を横目に辺りを見回すが、

そこは記憶にないただ“真っ白な空間”だった。


『さて、時間もないのでな簡単にヌシをなぜここに呼んだか説明させてもらおうかの』


俺が辺りをキョロキョロ見回しているとその老人は続けて話し出す


『まず自分の事をちゃんと覚えておるかの?』


『自分の事…』


ここに来て、初めて声を出した

しばらく喋ってなかったのか口の中がすごく乾いていて喋りにくい。


『うむ。ここに来るものはたまに生前の記憶を無くしてる者もおってな』


ん?生前って言った?

今生前って言った?

キョトンとしてる俺に構わず淡々と老人は喋り続ける


『記憶を無くしておるとちと面倒なのでな、まずはその確認じゃ』


そう言うと老人はにっこりと笑い俺の返事を待っていた。


『俺の名前はイチノセ・コハク…です』


『歳は21歳…フリーターやってました。』



『うむ。記憶は問題なさそうじゃの』


『あの……生前って言ってましたがその…俺って…』


『うむ。残念ながらヌシは先ほど居眠り運転していたトラックに引かれ絶命したのじゃ』


『はぁ…ってことはここは天国か何かでしょうか?ハハ…』


『いや、正確にはここは死後の世界ではない。その間の狭間の空間と言ったところかの』


俺は苦笑いしながら冗談のつもりで聞いたが

老人の表情や声のトーンから死んだ事実を認識させられていく。


『あの…それじゃあおじいさんはその…神様みたいな感じでしょうか?』


『みたいではないわ!失礼な!』


質問してみると食い気味で強く主張してきた。


『よいか、我が名はアデム最高神アデムじゃ!』


老人は立ち上がり、胸を張って答えた

白いローブを纏い手にはいかにもな杖を持っていた。


(おぉ……いかにも神様みたいな見た目だ)


また怒られては嫌なので心の中でそうつぶやいた。


『みたいなではなく本物の神じゃ!』


!!!


心の中のつぶやきに反応されて

とても驚き、目を丸くしていると


『何を驚いておる最高神ともなればこれぐらい造作もないわ』


ニヤッと笑いながら

最高神様は喋りかけてくる


『それで…俺はなぜその狭間にいるのでしょうか?』


『よくぞ聞いた!』


『ヌシにはいまから別の世界、異世界へと行ってもらう』


『…………はい?』









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ