第3話 それぞれの覚悟
莉奈視点
案内係「では、こちらへ」
と、誘導される
私は今ようやく『Rose』の大きくて広すぎる本社に着き騎士候補の集まるエントランスにいる
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数時間バスに揺られたあとやっとの思いでバスからおり数分歩いすぐに『Rose』の敷地に入ったが本社までの道がまた遠い
数メートル先にRose』の本社が見えるのに私の周りには木々や噴水に立派な数々の像と並び立つ花壇があった。それらは綺麗に本社の方まで並べられている
(これなんの道なの…!!いや、道路だコレ)
溢れる気持ちは抑え込み私は本社目掛けて歩き出した
約5分くらい歩いただろうか
やっと本社に着きエントランスにある受付係の元へ向かう
「あの、すみません。騎士候補の神那 莉奈ですが…」
受付係「…はい、神那様ですね。そちらの案内係が案内をしますのでついて行ってください」
「はい、分かりましたありがとうございます」
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そう言われて今に至るのだ
案内係「神那様こちらのソファーにお座り騎士様たちがいらっしゃるまで待機していてください」
「分かりました、案内ありがとうございます」
とお礼を言うと案内係は【ニコッ】と微笑み一礼をして去っていった
(なんか、いい気分…最高のおもてなし)
感動しながら言われたソファーに向かうと既に騎士候補達が集まっていて座っていた
「ひっ…」
ソファーに座っていたのは転生する前に画面越しに見ていたキャラ達だ
美しいすぎてキラキラとエフェクトが漂っているよつに見える
(あぁっ、本物だ!!)
ニヤけてしまわないように気持ちを引きしめて騎士候補達が座っているソファーに向かう
「あの、おはようございます!!騎士候補の方達ですか?」
?「えぇ、そうですよ。」
と返事を返してくれたのは攻略対象者である白夜 秋十くんだった
?「どうぞ、あなたもお座りください」
座るように促したのはその双子の妹でお助けキャラの白夜 冬香ちゃんだ
2人とも優しく優雅に微笑んでくれた
(双子ズ尊い!!かわいぃい)
この双子は『蜜君』でもかなりの大好物だ
2人のクリーミーブロンドはとても滑らかな色でふわふわしていて2人とも愛らしい美男美女でファンの間で性別問わず人気があった
?「あっ!神那ちゃんだ!!」
?「本当だ、神那さん卒業式以来だね」
更に声をかけてくれたのは高3のクラスメイトで攻略対象である槙吞 双太くんと淵公 柊くんだ
この2人は乙女ゲームのメインキャラでもある
攻略対象はかなり複数いるがそのうちのメインでヒロインの元同級生というポジション
その設定はかなりプロローグからファンを沸かせた
(双太くんのキャラは定番中の定番だけどめっちゃ良かったなぁ…。柊きゅんはもう神。」
淵公 柊は外国人でダークブラウンのスッキリした髪に明るめの茶の瞳
しっかりしているように見えて、仲良い人にはかなりやんちゃで甘えん坊さんというところがまた人気だった
高三の時にこの2人と同じクラスになった時は毎日がパラダイス状態だった
とりあえず、私は空いてる双太くんの隣に座った
「2人とも久しぶりだね!元気そうで良かったよ」
双太「だね!俺も柊と神那さんが元気そうで嬉しいよ」
柊「でもまさかこの3人が騎士候補だなんて凄い縁を感じるね」
「ふふっ、そうだね」
まぁ、前世の知識でストーリーは把握済みだから分かっていたけどね
秋十「そちらの3人は同級生ですか?」
莉奈「はい、そうです」
冬香「凄い偶然ですね…」
柊「そうですよね、とても驚きましたよ」
双太というか、同じ騎士候補の仲間だから名前呼びと敬語なしで話そうぜ!そちらの篠川 憂さんも!」
と、ここでフレンドリーな双太くんが動き出す
プロローグではこの双太くんの行動で騎士候補達の絆が始まる
優「えっ、俺は敬語がデフォルトなので…名前呼びなら大丈夫です」
(んんっ、この敬語がデフォルトプラス少し恥ずかしがり屋という点はかなり色んなファン達に刺さっていた)
秋・冬「なら遠慮なくそうする」
「ふふっ、双子のシンクロ凄いですね!」
秋・冬「そうかな?」
また揃った双子の言葉に私たちはお互いに顔を見合わせ盛大に笑った
優くんも笑っていることに自分で驚いていて微笑ましい。理由を既に知っている私は早く攻略してしまいまち気持ちでいっぱいだ
柊2人ってあの有名な金持ちの多い白銀学園の生徒だよね?」
秋十「そうだよ、でもなんで知ってるの?」
双太まじか!君たちは白銀学園の天使の双子という呼び名が噂で広まってて知ってたんだ」
(そうそう、2人とも正に天使だからね)
冬香「そ、それは恥ずかしいな…」
と照れながら呟いた冬香ちゃんの頭を優しく秋十くんが撫でる
(何その光景尊い!!)
「ねぇねぇ、女の子私たち2人しかいないから仲良くしようよ!冬香ちゃん」
冬香「…うん、喜んで」
【ふふっ】と2人で笑い合う
冬香は高嶺の花で更に白夜家のお嬢様だからあんまり友達がいなかったのだ
(それも、前世の情報だけどもう…ゲーム以上に仲良くなって可愛がる!!)
しばらく私たちは雑談に花を咲かせていた
数分してあの赤薔薇の騎士黒耶麻 秀雅さんが現れたーー